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01_「Walk on the Wild Side」(アルバム:Transformer)
Lou Reed - Walk on the Wild Side (Official Audio)[59,096,771_2013/11/27 ]
■曲名:Walk on the Wild Side ■曲名邦題:ワイルド・サイドを歩け ■アルバム名:Transformer ■アルバム名邦題:トランスフォーマー ■動画リンク:「Walk on the Wild Side」
まず「Walk on the Wild Side」という曲名が、かっこいいですね。 「Wild Side」をどう訳すかは難しいところですが、歌詞の文脈から判断すると「普通ではない生き方」みたいな感じだと思います。 この曲の歌詞のモデルは、トランスジェンダー女優のホリー・ウッドローン(Holly Woodlawn)だと言われています。 彼女はアンディ・ウォーホル(Andy Warhol)のミューズと呼ばれ、アンディのスタジオ「ザ・ファクトリー(The Factory)」に出入りしていました。 ルー・リードとも顔なじみだったようです。 この曲では、彼女がヒッチハイクでニューヨークに出てきた時の実話が、そのまま使われています。 彼女の写真を引用しておきましょう。

02_「Satellite of Love」(アルバム:Transformer)
Lou Reed - Satellite of Love (Official Audio)[1,832,931_2013/11/15]
■曲名:Satellite of Love ■曲名邦題:サテライト・オブ・ラヴ ■アルバム名:Transformer ■アルバム名邦題:トランスフォーマー ■動画リンク:「Satellite of Love」
この曲は嫉妬をテーマにした曲のようです。 当時の交際相手は、レイチェルという男性でした。 ルー・リードはバイセクシャルですから、恋人が男性ということもあります。 このアルバムの裏ジャケでは、レイチェルが登場しています。 lou-reed-rachel レイチェルは左の方だと思われます。 性別は男性のようですが、確かに美しい人ではないでしょうか。 このアルバムは、デヴィッド・ボウイ(David Bowie)とミック・ロンソン(Mick Ronson)がプロデュースしています。 この曲の印象的なピアノは、ミック・ロンソンが弾いているようですね。

03_「Smalltown」(アルバム:Songs for Drella)
Smalltown[124,443_2015/09/02]
■アーティスト名:Lou Reed & John Cale ■アーティスト名カナ:ルー・リード & ジョン・ケイル ■曲名:Smalltown ■曲名邦題:スモールタウン ■アルバム名:Songs for Drella ■アルバム名邦題:ソングス・フォー・ドレラ ■動画リンク:「Smalltown」
このアルバムは、ジョン・ケイルとの共同名義作品です。 ジョン・ケイルは、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド(The Velvet Underground)で、ルーと並んで中心人物だった人です。 しかし1968年に2人は決別し、ジョン・ケイルはバンドを脱退しました。 このアルバムは1990年のリリースですから、実に22年ぶりの共演ということになります。 長い年月を経たこの共演には、あるきっかけがありました。 このアルバムは、1987年に亡くなったアンディ・ウォーホルに捧げられています。 ちなみにアルバム名の「Drella」とは、ウォーホルのこと。 アルバム・タイトルに登場する「ドレラ」とは、ウォーホルのニックネームで、ドラキュラとシンデレラを合わせた造語である[8]。 ソングス・フォー・ドレラ ウィキペディア ジョンの格調高いピアノをバックに、ルーのボーカルが乗っているだけのシンプルな曲です。 この2人の組み合わせには、マジックが働いているように思います。

04_「NYC Man」(アルバム:Set the Twilight Reeling)
Lou Reed - NYC Man (Official Music Video)[88,125_2015/05/22]
■曲名:NYC Man ■曲名邦題:NYCマン ■アルバム名:Set the Twilight Reeling ■アルバム名邦題:セット・ザ・トワイライト・リーリング ■動画リンク:「NYC Man」
ルー・リードほどニューヨークのイメージが強い人はいません。 生まれがニューヨーク州で、亡くなった時の住所もニューヨーク州です。 そのものスバリの「New York」というアルバムも発表していますし。 そしてこの曲は「NYC Man」つまり「ニューヨーク市の男」。 この曲でルーは「ニューヨーク市、愛してる」と、ストレートに「ニューヨーク愛」を歌い上げています。 このアルバムは後期ルー・リードの傑作の1枚で、他にもご紹介したい曲が沢山あります。 1曲だけヘヴィーな曲をご紹介しておきましょう。 Lou Reed – Egg Cream そういえば彼は、遺作の「ルル(Lulu)」で、メタリカと共演していました。 後期のルー・リードは、ヘヴィーな曲が魅力でした。

05_「Lady Day」(アルバム:Berlin)
Lou Reed - Lady Day (Official Audio)[194,848_2013/11/15]
■曲名:Lady Day ■曲名邦題:レディ・デイ ■アルバム名:Berlin ■アルバム名邦題:ベルリン ■動画リンク:「Lady Day」
こういうランキング記事で、どうご紹介すべきか悩むケースがあります。 たとえばトータル・アルバムやコンセプト・アルバムのような、アルバム一枚聞いて初めて価値が分かるような場合。 このアルバムなどは、1曲だけでは伝わらない気もします。 この作品はストーリー仕立てで、ある男性と娼婦キャロラインをめぐるストーリーが描かれています。 ネタバレしないよう、そのストーリーをここではご紹介しません。 歌詞を読みたい方は、和訳付きの日本盤をご検討ください。 このアルバムは、アリス・クーパー(Alice Cooper)との仕事で知られる、ボブ・エズリン(Bob Ezrin)の貢献が大きいように思います。 彼はルーのアイデアを活かすべく、編曲とプロデュースどちらでも良い仕事をしています。 もう1曲ご紹介しておきましょう。 Lou Reed – Berlin イントロの退廃が秀逸ですね。 上の「ベルリン(Berlin)」という曲から、最後の「悲しみの歌(Sad Song)」までの流れは、本当に見事です。

06_6位「Dirty Blvd」(アルバム:New York)
Lou Reed - Dirty Blvd - New York Album[1,333,628_2010/07/06]
■曲名:Dirty Blvd ■曲名邦題:ダーティ・ブルヴァード ■アルバム名:New York ■アルバム名邦題:ニューヨーク ■動画リンク:「Dirty Blvd」
このアルバムは、最高傑作の1枚というだけでなく、最初の1枚としてもおすすめします。 この作品の成功の要因は、ギター・サウンドの心地良さにあります。 ポップで聞きやすい曲が多いのですが、それは前作「ミストライアル(Mistrial)」でも同じことでした。 ただし「Mistrial」が1980年代的なチープなサウンドなのに対して、こちらはザックザックしたギターが前面に出ています。 このリアルで乾いたギターの音が、アルバムの出来を大きく左右したように思います。 クレジットを見ると、ルー・リードがg-left、マイク・ラスケ(Mike Rathke)がg-rightと記載されていました。 同じアルバムから、もう1曲ご紹介しておきましょう。 Lou Reed – Romeo Had Juliette ポール・ウェスターバーグ(Paul Westerberg)のアルバムにも似た、ギターの魅力を堪能できる作品です。

07_「Coney Island Baby」(アルバム:Coney Island Baby)
Lou Reed - Coney Island Baby (1976)[65,821_2014/12/01]
■曲名:Coney Island Baby ■曲名邦題:コニー・アイランド・ベイビー ■アルバム名:Coney Island Baby ■アルバム名邦題:コニー・アイランド・ベイビー ■動画リンク:「Coney Island Baby」
このアルバムを最高傑作に挙げる人は、ほとんどいないと思います。 しかしファンにはとても愛されている作品です。 「Transformer」のように曲が粒ぞろいでもなければ、「Berlin」ほど刺さるわけでもありません。 「Berlin」の後、彼は迷走したと言われています。 「死の舞踏(Sally Can’t Dance)」は悪い作品ではありませんが、サウンドが分厚くなったせいか、ファンには不評でした。 その次の「無限大の幻覚(Metal Machine Music)」は、暗黒のノイズ・ミュージックです。 そうした紆余曲折の末にリリースされたのが、このアルバム。 この曲は6分半と長いのですが、必然性は感じられません。 ただここにあるのは紛れもなく、普段着のルーリードの姿です。 当時ファンは「こういうのでいいんだよ」と思ったかもしれません。

08_「Perfect Day」(アルバム:Transformer)
Lou Reed - Perfect Day[83,418,970_2007/08/14]
■曲名:Perfect Day ■曲名邦題:パーフェクト・デイ ■アルバム名:Transformer ■アルバム名邦題:トランスフォーマー ■動画リンク:「Perfect Day」
このアルバムは楽曲の質が異様に高いです。 今回唯一3曲取り上げましたが、他にも「アンディの胸(Andy’s Chest)」「ニューヨーク・テレフォン・カンヴァセイション(New York Telephone Conversation)」など、傑作ぞろいです。 「Perfect Day」は、映画「トレインスポッティング(Trainspotting)」で取り上げられたことで、有名曲になりました。 「Trainspotting」はドラッグに溺れる若者たちを描いた映画です。 一方「Perfect Day」の主人公は、平凡な幸せをかみしめながら「なんて完璧な日」だとつぶやいています。 この曲の主人公はドラッグ中毒者だという説があって、そういう話から「Trainspotting」で取り上げられたのかもしれません。 ただルー・リード自身は、その説を否定しているようですが。

09_「Ladies Pay」(アルバム:Rock And Roll Heart)
Lou Reed - Ladies pay[5,601_2013/10/31]
■曲名:Ladies Pay ■曲名邦題:貴婦人の代償 ■アルバム名:Rock And Roll Heart ■アルバム名邦題:ロックン・ロール・ハート ■動画リンク:「Ladies Pay」
さてここで少し珍しい曲をご紹介しておきましょう。 彼のアルバムは、出来不出来がはっきり分かれる傾向にあります。 彼は今作からアリスタ・レコード(Arista Records)に移籍しましたが、この時期は低迷期と言われています。 ただ私はこのアルバムまでは、それほど悪くないと思いますが。 たとえばこの曲などは、他の人気曲に引けを取らない出来だと思いますし。 擁護できないのは「ストリート・ハッスル(Street Hassle)」と「警鐘(The Bells)」の2作です。 私の感覚でいえばですが。 その後「都会育ち(Growing Up in Public)」で少し持ち直したように思います。

10_「What’s Good – The Thesis」(アルバム:Magic and Loss)
Lou Reed - What's Good (The Thesis) (Official Music Video)[327,048_2015/05/22]
■曲名:What’s Good – The Thesis ■曲名邦題:ホワッツ・グッド – 主題 ■アルバム名:Magic and Loss ■アルバム名邦題:マジック・アンド・ロス ■動画リンク:「What’s Good – The Thesis」
「New York」での復活後、彼は充実作を連発しました。 続く「Songs for Drella」「Magic and Loss」「Set the Twilight Reeling」「Ecstasy」は、どれも最高水準の作品ばかりです。 第二の全盛期といってもいいでしょう。 ちなみに私が思う最初の全盛期は「Transformer」「Berlin」「ロックン・ロール・アニマル(Rock ‘n’ Roll Animal)」の頃です。 さてこのアルバムは、以下のような背景を持った曲です。 死をテーマにしたアルバムで、リードの親友であるドク・ポーマスとリタが、2人とも癌で死去したことに触発されて作られた[10]。 マジック・アンド・ロス ウィキペディア この曲の歌詞は「人生とは〇〇のようだ」という言葉が並べられています。 しかしその後、次のように訴えています。 お前たちは人生を愛していたが、他の者は人生を投げていた。 それなのにお前たちが死ぬなんて、人生は不公平だ。

11_「Berlin」(アルバム:Lou Reed)
Lou Reed - Berlin[411,218_2009/03/17]
■曲名:Berlin ■曲名邦題:ベルリン ■アルバム名:Lou Reed ■アルバム名邦題:ロックの幻想 ■動画リンク:「Berlin」
このアルバムに収録されている曲の多くは、ヴェルヴェッツ時代につくられた曲のリメイクです。 確かに「アイ・キャント・スタンド・イット(I Can’t Stand It)」などは、ソロの曲という感じがしません。 このアルバムは、様々な面で異色作です。 まず彼はロンドンに渡ってレコーディングしました。 更にはプログレッシブ・グループ、イエス(Yes)のリック・ウェイクマン(Rick Wakeman)とスティーヴ・ハウ(Steve Howe)が参加しています。 確かに聞いていて違和感を感じる部分があります。 実際このアルバムの評価は、あまり高くありません。 しかし改めて聞き返すとこの曲や「リサ・セッズ(Lisa Says)」など、時々キラリと光る曲があります。 今一度再評価しておきたい作品です。

12_「My Friend George」(アルバム:New Sensations)
My Friend George Lou Reed[25,177_2011/02/02]
■曲名:My Friend George ■曲名邦題:マイ・フレンド・ジョージ ■アルバム名:New Sensations ■アルバム名邦題:ニュー・センセーションズ ■動画リンク:「My Friend George」
この曲は隠れ名曲枠として選出しました。 今回は私の好みを反映した結果、曲のタイプが少し似てしまったかもしれません。 特に「ヴィシャス(Vicious)」のようなロックンロール・ナンバーの多くが選外になりましたし。 選曲にあたって私が意識したのは、あまり重苦しくならないようにということです。 実際この人の曲は、ダウナーで暗い名曲が少なくありません。 その方針もあり、明るめ補正をしようとした結果、この曲がランクインしました。 一般にRCAレコード(RCA Records)期は不作と言われますが、明るい作風の佳曲が多く、私はそれほど悪い時期だとは思いません。 この曲はシングルではありませんが、シングルカットしたら売れたかもしれません。

13_「Paranoia Key of E」(アルバム:Ecstasy)
Paranoia Key of E[48,669_2015/10/14]
■曲名:Paranoia Key of E ■曲名邦題:パラノイア・キー・オブ・E ■アルバム名:Ecstasy ■アルバム名邦題:エクスタシー ■動画リンク:「Paranoia Key of E」
この人はソングライターとして卓越していますが、意外と曲の出来不出来に波があります。 その中でこのアルバムは77分と長い割に、アルバムを通して楽しめます。 昔渋谷のロック喫茶に行った時、このアルバムがかかっていました。聞いていたくて店を出られなかったことを思い出しました。 今回どの曲を選ぶか最も迷ったアルバムです。 大作「ライク・ア・ポサム(Like a Possum)」も捨てがたいですが、さすがに18分は長すぎます。 迷った末、ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)を思わせるこの曲にしました。 このアルバムは、良き理解者ハル・ウィルナー(Hal Willner)との共同プロデュース作品。 後の結婚相手、ローリー・アンダーソン(Laurie Anderson)も参加しています。 この2人には共通点があって、どちらも演劇的なアプローチを好みます。 当時ルー・リードも、演劇に興味があったようですね。 実際次作の「ザ・レイヴン(The Raven)」は、音楽劇のような作品になりました。

14_「Heavenly Arms」(アルバム:The Blue Mask)
Lou Reed ~ Heavenly Arms[95,375_2010/02/22]
■曲名:Heavenly Arms ■曲名邦題:ヘヴンリー・アームス ■アルバム名:The Blue Mask ■アルバム名邦題:ブルー・マスク ■動画リンク:「Heavenly Arms」
このアルバムはロバート・クワイン(Robert Quine)のギターが聞きものです。 クワインとルーは相性抜群で、次作「レジェンダリー・ハーツ(Legendary Hearts)」でも、共演していました。 彼は一時バイセクシャルのイメージをアピールしていましたが、このアルバムで方針を変えました。 このアルバムの「ウイメン(Women)」という曲では「僕は女性が好きだ」と歌われています。 この曲では、具体的に女性の名前が挙げられています。 それは当時の妻シルヴィア・モラレス(Sylvia Morales)のこと。 この曲では「天国の武器が僕に手を差し伸べる」と歌われています。 「天国の武器」とは、シルヴィアのことみたいですね。 しかしその後彼はシルヴィアと別れて、2013年に肝臓がんでこの世を去るまで、ローリー・アンダーソンと添い遂げています。 ローリー・アンダーソンと結婚した時のエピソードを引用しておきましょう。 「あれは2008年の春のこと、私はカリフォルニアの道端を歩いていて、自分のことが嫌になってきてルーに携帯で話をしていたのだった。 『やりたいと思ってたのにやれなかったことがたくさんあるの』とわたしはルーに話した。 『やりたかったことって?』とルーは訊いてきた。 『だから、結局、ドイツ語も習えなかったし、物理も学べなかったし、結婚もできなかったし』 『それだったら俺たち結婚しない?』とルーは訊いてきた。『俺そっちに向かって半分まで行くから。コロラドまで行くよ。明日とかどう?』 『うーん、ねえ、明日ってちょっといきなり過ぎだとは思わない?』 『ううん、思わない』 ルー・リード ウィキペディア 結婚後二人は、仲睦まじい夫婦になりました。 本当の「天国の最終兵器」は、ローリー・アンダーソンの方だったようですね。

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