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01_「Don’t Look Back」(アルバム:El Rayo-X)
Don't Look Back[93,961_2014/11/08]
■曲名:Don’t Look Back ■曲名邦題:ドント・ルック・バック ■アルバム名:El Rayo-X ■アルバム名邦題:化けもの ■動画リンク:「Don’t Look Back」
この曲はテンプテーションズ(The Temptations)のカバーです。 オリジナルのリンクを貼っておきましょう。 The Temptations – Don’t look Back この曲を書いたのは、スモーキー・ロビンソン(Smokey Robinson)。 しかしこの曲がこんな風にカバーされるとは、思いもしなかったでしょうね。 デヴィッドの音楽は、陽気な曲が多いように思います。 この曲もイントロのチャンチキしたギターのフレーズからして、もうたまりません。 初恋が叶わなかった女性に対して「俺の手を取れば悩みなんかなくなるさ。過去を振り返るな」と語りかけている曲です。 しかしこんな陽気に言われたら、前向きに切り替えられそうですね。 このアルバムでは他にも、ビートルズ(The Beatles)で有名な「ツイスト・アンド・シャウト(Twist and Shout)」やエヴァリー・ブラザース(The Everly Brothers)の「バイ・バイ・ラヴ(Bye Bye Love)」などが取り上げられています。 しかしそれらの曲も全部こんな調子で、底抜けに楽しい曲ばかりです。

02_「Mercury Blues」(アルバム:El Rayo-X)
Mercury Blues - David Lindley and El Rayo-X - HD[8,858_2014/04/03]
■曲名:Mercury Blues ■曲名邦題:マーキュリー・ブルース ■アルバム名:El Rayo-X ■アルバム名邦題:化けもの ■動画リンク:「Mercury Blues」
この曲は古い曲で、初録音は1948年K.C. ダグラス(K.C. Douglas)によって録音されています。 K.C. ダグラスはフォーク・ブルース・シンガーですが、この曲はカントリー系の人にカバーされることが多いように思います。 ちなみに「Mercury Blues」の「Mercury」とは、フォード車のブランド名のこと。 マーキュリーの車に対するあこがれを歌った曲です。 もしお金があったら、マーキュリーの車を1台か2台買おうと。 どんな車か調べてみましたが、私はこの車が一番かっこいいと思いました。 david-lindley-mercury なるほどこれは欲しくなりますね。 さてこの曲は、彼にしては比較的アップテンポの曲です。 ギターの演奏も、車の音を模している感じかもしれません。 またこの時期は、イアン・ウォーレス(Ian Wallace)のジッタリン・ジンみたいなドラムも魅力です。 イアン・ウォーレスは、キング・クリムゾン(King Crimson)のドラムだった人です。 ただその頃とはプレイが違いすぎるようですが。

03_「Talk to the Lawyer」(アルバム:Win This Record!)
Talk to the Lawyer[35,597_2017/02/09]
■曲名:Talk to the Lawyer ■曲名邦題:トーク・トゥ・ザ・ロイヤー ■アルバム名:Win This Record! ■アルバム名邦題:ウィン・ジス・レコード ■動画リンク:「Talk to the Lawyer」
この人のソロアルバムは、天然っぽい魅力があります。 曲名は「Talk to the Lawyer」つまり「弁護士に相談」という意味ですが、こんな曲調では遊びの相談かと思ってしまいます。 この人は元々ジャクソン・ブラウンのバンドでギターを弾いていた人ですが、その頃はこれほど能天気な人だとは思いませんでした。 胸を突くスライド・ギターが特徴で、かなり目立っていたと思います。 しかしここまで屈託のない演奏ではありませんでした。 私は後追いですが、当時ジャクソン・ブラウンの演奏を気に入って買った人は、さぞかし驚いたのではないかと推察します。 この曲でも2:19からインチキくさい東洋風なフレーズが飛び出てきて、楽しいことこの上ありませんが。 確かに生真面目なジャクソン・ブラウンのバックでは、こういう面を出しにくかったかもしれません。

04_「Texas Tango」(アルバム:Very Greasy)
Texas Tango[10,618_2017/02/12]
■曲名:Texas Tango ■曲名邦題:テキサス・タンゴ ■アルバム名:Very Greasy ■アルバム名邦題:ヴェリー・グリーシー ■動画リンク:「Texas Tango」
ライ・クーダーのアルバムに入っていてもおかしくない曲です。 この人はライ・クーダーのアルバムに参加したり、よく一緒にライブをやっています。 ライは当時デヴィッドに先行して、様々なルーツ音楽を探求していました。 中でもメキシコのテックス・メックス(Tex-Mex)に取り組んだ作品では、とても大きな音楽的な成果を残しています。 おそらくデヴィッドも、かなり刺激を受けたことでしょう。 ちなみにテックス・メックスとは、テキサス州とメキシコの境界線あたりの音楽で、テハノミュージック(Tejano music)と言われることもあります。 テックス・メックスは、陽気なアコーディオンとポルカっぽい曲も多いのですが、この曲もそんな感じですね。 曲名にも「テキサス」と入っていますし。 1:32からの演奏は、クレジットではギターとなっていますが、バンジョーっぽい音に聞こえます。

05_「She Took Off My Romeos」(アルバム:El Rayo-X)
David Lindley: She Took off my Romeo (Reggae)[187,339_2016/06/22]
■曲名:She Took Off My Romeos ■曲名邦題:僕のロミオ ■アルバム名:El Rayo-X ■アルバム名邦題:エル・ラーヨ・エキス ■動画リンク:「She Took Off My Romeos」
彼はカルフォルニア生まれで、様々な弦楽器に親しんだ後、バンジョー奏者として名を挙げました。 その後彼は、カレイドスコープ(Kaleidoscope)というバンドに加入しています。 カレイドスコープは、サイケデリックなルーツロックバンドで、私はそれほどおもしろいとは思いません。 参考にまで1曲だけ、ご紹介しておきましょう。 Kaleidoscope – Egyptian Gardens この頃の彼は、バンジョーを弾くことが多かったようです。 その後彼は人気シンガー・ソングライターのジャクソン・ブラウンのバックバンドで、ギターを担当することになりました。 彼はそこで名声を高め、ソロデビューすることができました。 この曲は、そのデビューアルバムの1曲目。 同時に、最高傑作として名高いアルバムです。 レゲエを大胆に導入した曲だけでなく、他にも様々な種類の音楽が煮込まれています。 この曲などは、少しニューオリンズの音楽に影響を受けているかもしれません。

06_「I Just Can’t Work No Longer」(アルバム:Very Greasy)
I Just Can't Work No Longer[22,009_2017/02/12]
■曲名:I Just Can’t Work No Longer ■曲名邦題:キャント・ワーク・ノー・ロンガー ■アルバム名:Very Greasy ■アルバム名邦題:ヴェリー・グリーシー ■動画リンク:「I Just Can’t Work No Longer」
後で述べますが、前作のアルバムは出来がかんばしくありませんでした。 しかしこの作品では、ファーストやセカンド・アルバムのサウンドに戻っています。 彼は毎回プロデューサーが変わりますが、このアルバムのプロデューサーは、なんとリンダ・ロンシュタット(Linda Ronstadt)です。 リンダは自分のアルバムでもプロデュースしていないはずですが。 しかし彼女の手腕のおかげか、すばらしいアルバムに仕上がっています。 この曲の土台はやはりレゲエで、そこにデヴィッド特有のチャンチキしたギター乗っかっています。 アルバムタイトルの「Very Greasy」とは「とても脂っこい」という意味ですが、適度に脂がのった実に美味な曲ではないでしょうか。 このアルバムがリリースされたのは1988年ですから、まだチープなサウンドの全盛期でした。 しかしこのアルバムの質感は、前作から大幅に改善されています。 それが勝因だと思います。 プロデューサーとしてのリンダも、なかなかのものではないでしょうか。

07_「El Rayo-X」(アルバム:El Rayo-X)
David Lindley - El Rayo-X[44,428_2012/05/29]
■曲名:El Rayo-X ■曲名邦題:エル・ラーヨ・エキス ■アルバム名:El Rayo-X ■アルバム名邦題:化けもの ■動画リンク:「El Rayo-X」
彼はギタリストですから、ボーカルは本職ではありません。 しかしソロ・アルバムで、堂々たる歌を聞かせてくれています。 もちろん本職のシンガーのような上手さはありませんが、自分の曲に合った、実に陽気な声質の持ち主だと思います。 ギターもバックバンド時代とはプレイスタイルが異なりますが、一貫しているのは音の伸びやかさです。 このアルバムを聞いて、彼のボーカルも伸びやかだと判明しました(笑) さてここで、少しややこしい部分を整理しておきましょう。 この曲は「El Rayo-X」という曲名ですが、このアルバムにおいては3つの意味を持っています。 ・曲名:「El Rayo-X」 ・アルバム名:「El Rayo-X」 ・バンド名:「El Rayo-X」 つまりバンド名と同じ曲名なのですね。 ちなみに「El Rayo-X」は「レーザー光線X」という意味。 またアルバム邦題の「化け物」は、日本びいきの彼自らが名付けたそうです。 よく見るとアルバム・ジャケットでも、ちゃんちゃんこみたいな服を着ています。

08_「Ram a Lamb a Man」(アルバム:Win This Record!)
Ram a Lamb a Man[16,371_2017/02/09]
■曲名:Ram a Lamb a Man ■曲名邦題:ラム・ア・ラム・ア・マン ■アルバム名:Win This Record! ■アルバム名邦題:ウィン・ジス・レコード ■動画リンク:「Ram a Lamb a Man」
セカンド・アルバムからの選曲です。 前作はジャクソン・ブラウンのプロデュースで自作曲が2曲であったのに対して、こちらは自分でプロデュースしており、自作曲も5曲に増えています。 より自分のやりたい音楽を追求しようということかもしれません。 このアルバムでは、ベースがホルヘ・カルデロン(Jorge Calderon)に交代しています。 またバーニー・ラーセン(Bernie Larsen)というリード・ギターも任せられるギタリストが加入しました。 特にギター1本が増えたことが、最も大きな変化といえるかもしれません。 この曲でも、2本のギターがいい感じに絡んでいます。 ハーモニクスで始まるイントロからしてすばらしいですが、曲の合間でもギターがよく歌っています。

09_「Pretty Girl Rules The World」(アルバム:Mr. Dave)
Pretty Girl Rules the World - David Lindley[18,496_2011/12/17]
■曲名:Pretty Girl Rules The World ■曲名邦題:プリティ・ガール・ワールド ■アルバム名:Mr. Dave ■アルバム名邦題:MR.デイヴ ■動画リンク:「Pretty Girl Rules The World」
今回のランキングは、El Rayo-Xと共演した時期の曲が中心となりました。 オリジナル・アルバム4枚とライブの2枚「El Rayo Live」「Live At The Bottom Line, New York City, 1981」から9曲を選びました。 ライブの方もすばらしいのですが、スタジオ録音の方が聞きなれているせいか、ライブ盤からは1曲も選んでいません。 ただスタジオ・アルバムの中で、ダントツ聞く機会が少ないのがこれです。 聞いての通り、1980年代っぽいチープな音になっています。 ドラムだけでなく、心なしかギターを含めた演奏全般が味気ないように感じます。 ただこの曲の存在で少しだけ救われたかもしれません。 この曲の魅力は、楽曲の魅力に尽きるといってもいいでしょう。 私はこの曲だけ聞いて、CD棚に戻すことがあります。

10_「Hana」(アルバム:A World Out of Time)
Hana (by Henry Kaiser & David Lindley feat. Tarika Sammy)[11,317_2012/08/23]
■曲名:Hana ■曲名邦題:花〜すべての人の心に花を〜 ■アルバム名:A World Out of Time ■アルバム名邦題:ワールド・アウト・オブ・タイム ■動画リンク:「Hana」
El Rayo-X以外から1曲だけご紹介しておきましょう。 この曲もカバーで、オリジナルは喜納昌吉&チャンプルーズの有名曲です。 おそらくご存知の方も多いのではないでしょうか。 このアルバムは同じく民族音楽に関心を持つギタリスト、ヘンリー・カイザー(Henry Kaiser)との共同名義の作品です。 2人はマダガスカル島に行き、現地のミュージシャンと共演して大きな刺激を受けたのだとか。 マダガスカルは、南アフリカの右上あたりにある島国です。 このアルバムは、その共演時に録音された1枚。 実は私がもっともが聞き返すことが多いのは、これと「A World Out of Time Vol. 2」です。 それにもかかわずなぜこの曲だけにしたかというと、確かにすばらしい音楽ですが、デヴィッドの音楽ではないと思ったからです。 現地ミュージシャンの演奏に、デヴィッドがゲスト参加した感じといいますか。 現地の言葉で歌われるこの曲は、かなりすばらしい出来ですけどね。 デヴィッドの見せ場は1:42からで、すばらしいスライド・ギターを披露しています。

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