01_「Such a Night」(アルバム:In the Right Place) Such a Night[251,551_2016/04/08]
■曲名:Such a Night
■曲名邦題:サッチ・ア・ナイト
■アルバム名:In the Right Place
■アルバム名邦題:イン・ザ・ライト・プレイス
■動画リンク:「Such a Night」
彼の曲の中でも屈指の有名曲です。
それはザ・バンド(The Band)の解散コンサート「ラスト・ワルツ(The Last Waltz)」で演奏されたせいかもしれません。
私も初めて聞いたのは、そちらのライブ盤だったはず。
ラスト・ワルツ版のリンクも貼っておきましょう。
Dr. John – Such a Night
しかし実に楽しそうに歌い、演奏する人なのですね。
この曲は彼のピアノも聞きものです。
いわゆるニューオーリンズ・ピアノと呼ばれるスタイルなのですが、ルーツをたどると古いジャズに行き着きます。
明らかにブギウギ、ラグタイム・ピアノなどの影響が感じられます。
ただ元々彼はギタリストでした。
しかし友人でミュージシャンのロニー・バロン(Ronnie Barron)をかばってピストルを撃たれた時の傷が原因で、ピアノに転向したのだそうです。
その後彼がリリースした音楽は、ギターが主役という印象はありません。
むしろよく転がりよく跳ねるピアノが活躍する曲が多いように思います。
撃たれたことは悲劇ですが、彼は結果的にそれをプラスに変えたようですね。
03_「Mos’ Scocious」(アルバム:Desitively Bonnaroo) Mos' Scocious[18,086_2016/04/08]
■曲名:Mos’ Scocious
■曲名邦題:モスコシアス
■アルバム名:Desitively Bonnaroo
■アルバム名邦題:デスティヴリー・ボナルー
■動画リンク:「Mos’ Scocious」
このアルバムは、内容の割に過小評価されています。
出来でいえば「Dr. John’s Gumbo」と「In the Right Place」に匹敵していますから。
彼は上記2作の頃、全盛期を迎えていました。
ただその後「三頭政治(Triumvirate)」で、人気にブレーキがかかってしまいました。
「Triumvirate」は、マイク・ブルームフィールド(Mike Bloomfield)、ジョン・P・ハモンド(John Paul Hammond)との共同名義のアルバムです。
ただ豪華なメンバーから期待されたほどの出来ではありませんでした。
実際「Triumvirate」のレコーディングは、彼にとってあまり良い思い出ではなかったようです。
その後彼は悪い流れを断ち切ろうと、このアルバムをつくり上げました。
ソロ名義の前作「In the Right Place」の続編といえそうなアルバムです。
それもそのはず、前作と同じくアラン・トゥーサン(Allen Toussaint)がプロデューサーを務め、演奏はミーターズ(The Meters)が担当しています。
セールスの回復は叶いませんでしたが、内容的には屈指の充実作となりました。
特にこの曲はラテン・ロックといった風情で、とても楽しいです。
04_「Revolution」(アルバム:Locked Down) Dr. John - Revolution [Official Video][791,092_2012/05/10]
■曲名:Revolution
■曲名邦題:レヴォリューション
■アルバム名:Locked Down
■アルバム名邦題:ロックト・ダウン
■動画リンク:「Revolution」
この人は1970年代前半で全盛期を迎えた後も、度々存在感を発揮しています。
『イン・ア・センチメンタル・ムード』(1989年)収録曲「メイキン・フーピー!」は、グラミー賞の最優秀ジャズ・ボーカル・パフォーマンス賞に輝き、彼にとって初のグラミー受賞となった[2]。
1992年のアルバム『ゴーイン・バック・トゥ・ニューオーリンズ』は、『ガンボ』と同様ニューオーリンズの古い音楽を取り上げた作品で、同アルバムはグラミー賞の最優秀トラディショナル・ブルース・アルバム賞を受賞[2]。
ドクター・ジョン ウィキペディア
確かにジャズのスタンダードを歌った「イン・ア・センチメンタル・ムード(In a Sentimental Mood)」も、聞かせてくれました。
またニューオリンズ音楽に回帰した「ゴーイン・バック・トゥ・ニューオーリンズ(Goin’ Back to New Orleans)」も悪くありません。
しかしこの人のポテンシャルが発揮されていたかというと、そうではなかったように感じます。
そのモヤモヤが払拭されたのが、このアルバム。
このアルバムでは、ブラック・キーズ(The Black Keys)のダン・オーバック(Dan Auerbach)がプロデュースを担当しています。
その起用が大当たりでした。
印象としては、ロス・ロボス(Los Lobos)が「コロッサル・ヘッド(Colossal Head)」で再生された感じに近いかもしれません。
過去の作風をなぞっているのとは違う、久しぶりの快作だと思います。
05_「Right Place Wrong Time」(アルバム:In the Right Place) Dr. John: Right Place Wrong Time[2,462,489_2012/07/01]
■曲名:Right Place Wrong Time
■曲名邦題:ライト・プレイス・ロング・タイム
■アルバム名:In the Right Place
■アルバム名邦題:イン・ザ・ライト・プレイス
■動画リンク:「Right Place Wrong Time」
彼の最大のヒット曲です。
シングルチャートの9位を記録し、初のトップテン・ヒットになっています。
このアルバムで彼は、ヒットした前作から少し路線を変えてきました。
前作ではニューオリンズの古い音楽への敬意が感じられましたが、今作ではニューオリンズ・ファンクといった感じのサウンドに進化しています。
成功の要因は、プロデューサーのアラン・トゥーサン、そして演奏にミーターズが参加したことです。
特にリズムにご注目ください。
このリズムは、セカンド・ライン・リズムと言われています。
言葉で表現するのは難しいですが、全員一体になって特定のリズムをキープするのではなく、リズムのズレをうまく利用している感じでしょうか。
私の乏しい表現力では説明が難しいので、実際に聞いていただいた方が早いですが。
リトル・フィート(Little Feat)に似ていると思う方もいらっしゃるかもしれませんが、彼らもかなり影響を受けています。
07_「Mama Roux」(アルバム:Gris-Gris) Dr. John - Mama Roux[252,885_2007/12/21]
■曲名:Mama Roux
■曲名邦題:ママ・ロックス
■アルバム名:Gris-Gris
■アルバム名邦題:グリ・グリ
■動画リンク:「Mama Roux」
ドクター・ジョンという芸名は、有名なブードゥー教の司祭の名前から取られています。
元々はドクター・ジョンがロニー・バロン用に考えたキャラクター設定でした。
しかしそれ難しいと判明すると、今度は自分がそのイメージでデビューすることにしました。
よっぽどこのアイデアが気に入っていたのですね。
彼の考えたコンセプトは、以下のようなものだと思われます。
・キャラクター:ブードゥー教の司祭
・音楽:異国風味のサイケデリック・ロック
・衣装:マルティグラ・インディアン
さてこの曲はデビュー・アルバムの曲としては、かなりポップな部類かもしれません。
このアルバムでは、ポール・ウェラー(Paul Weller)がカバーした「アイ・ウォーク・オン・ギルデッド・スプリンターズ(I Walk On Guilded Splinters)」の方が有名です。
このアルバムのカラーをご紹介するには、そちらの方がふさわしいかもしれません。
そちらにリンクも貼っておきましょう。
Dr. John – I Walk On Guilded Splinters
彼はこの路線で「バビロン(Babylon)」など、数枚のアルバムをリリースしています。
08_「Blow Wind Blow」(アルバム:Dr. John’s Gumbo) Blow Wind Blow (2017 Remaster)[1,865_2017/09/14]
■曲名:Blow Wind Blow
■曲名邦題:ブロウ・ウィンド・ブロウ
■アルバム名:Dr. John’s Gumbo
■アルバム名邦題:ガンボ
■動画リンク:「Blow Wind Blow」
ニューオリンズの音楽に対する敬意が感じられるアルバムです。
他にもニューオリンズ音楽を象徴する曲「アイコ・アイコ(Iko Iko)」や、地元の偉大な先人ヒューイ・”ピアノ”・スミス(Huey “Piano” Smith)に捧げた「ヒューイ・スミス・メドレー(Huey Smith Medley)」なども聞きものです。
前者の曲はリンクを貼っておきましょう。
Dr. John – Iko Iko
ちなみに「Gumbo」とはシチューのような煮込み料理のことで、アメリカ南部のソウル・フードだそうです。
彼はこのアルバムで、ニューオリンズ特有の雑食性を表現していますから、ぴったりのタイトルではないでしょうか。
さてその雑食性は、日本のミュージシャンをも虜にしました。
一時期、細野晴臣は彼の影響が感じられる傑作を連発していました。
またBO GUMBOS(ボ・ガンボス)などは、すばらしく日本的に解釈したニューオリンズ風の曲を数多く発表しています。