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01_「Morning Train (9 to 5)」(アルバム:Take My Time)
Sheena Easton - 9 to 5 (Morning Train) - Official Music Video[6,654,472_2018/07/24]
■曲名:Morning Train (9 to 5) ■曲名邦題:9 To 5 (モーニング・トレイン) ■アルバム名:Take My Time ■アルバム名邦題:モダンガール ■動画リンク:「Morning Train (9 to 5)」
彼女は「Modern Girl」とこの曲で、スターの仲間入りを果たしました。 なんと1950年代のルビー・マレー(Ruby Murray)以来初めて、トップ10に2曲ランクインさせた女性アーティストだったそうです。 この曲は多くの国で1位を獲得しています。 しかしアメリカで売り出す時に、曲名が問題となりました。 当初の曲名は「9 to 5」でしたが、ドリーパートン(Dolly Parton)に同名の曲があって、しかもかなりの有名曲です。 日本ではそれほど知られていませんが、ドリーはとても有名なカントリーシンガーです。 混同されたり、カバー曲だと思われる可能性もありました。 そこでアメリカでは「Morning Train」という曲名に変えてリリースされました。 またアルバム名もイギリスでは「Take My Time」でしたが、アメリカでは「Sheena Easton」に変えられています。 おそらく彼女の名前を売り込みたい意図があったのでしょう。 そのおかげかこの曲は無事アメリカでもヒットしています。

02_「Modern Girl」(アルバム:Take My Time)
Modern Girl - Sheena Easton - HQ/HD[439,556_2015/03/19]
■曲名:Modern Girl ■曲名邦題:モダン・ガール ■アルバム名:Take My Time ■アルバム名邦題:モダンガール ■動画リンク:「Modern Girl」
彼女のデビュー曲です。 デビューのきっかけは、BBCのテレビ番組「ザ・ビッグ・タイム」に出演したことでした。 その番組はスターを目指す若者に焦点を当てて、奮闘する姿を追いかけるドキュメンタリーだったようです。 彼女は見事ヒロインに選ばれて、その後EMIレコードからオファーを受けました。 曲名の「Modern Girl」とは「今時の女性」みたいな感じでしょうか。 イメージ的には保守的な女性像ではなく、都会で自立しているイケてる女性みたいな感じかもしれません。 このPVを見ると時代を感じますが、若い頃のシーナの初々しい姿を確認することができます。 ただ朝起きたばかりだと思われるシーンでも、化粧バッチリみたいですけども。

03_「Machinery」(アルバム:Madness, Money & Music)
MACHINERY - SHEENA EASTON (1982)[218,983_2014/08/01]
■曲名:Machinery ■曲名邦題:マシーナリー ■アルバム名:Madness, Money & Music ■アルバム名邦題:マシーナリー ■動画リンク:「Machinery」
このアルバムは長年入手が困難でしたが、現在はセカンド・アルバムとのセットで入手できます。 私は彼女の最高傑作だと思っています。 さてこのアルバムはこれまでと違って、じっくり聞かせる路線に変わりました。 これまでは個々には魅力的な曲はありましたが、寄せ集め的な感じがしましたから。 しかしこの作品はアルバム・トータルで表現されていて、尚且つ彼女の歌に焦点が当てられています。 この曲は前作までの路線を引き継いでいますが、その中では良いアクセントになっていますね。 通常大きな変化があった場合、プロデューサーが交代していることも多いのですが、このアルバムでは変わらずクリストファー・ニール(Christopher Neil)が担当しています。 彼女のボーカルを活かしたすばらしい仕事ぶりです。

04_「Jimmy Mack」(アルバム:Do You)
Sheena Easton - Jimmy Mack[39,338_2013/08/08]
■曲名:Jimmy Mack ■曲名邦題:ジミー・マック ■アルバム名:Do You ■アルバム名邦題:DO YOU ■動画リンク:「Jimmy Mack」
このアルバムでは、ナイル・ロジャース(Nile Rodgers)がプロデュースを手掛けています。 当時ナイルはマドンナ(Madonna)の「ライク・ア・ヴァージン(Like A Virgin)」などで、プロデューサーの手腕が高く評価されていました。 この曲はローラ・ニーロ(Laura Nyro)でご存知の方もいらっしゃるかもしれません。 オリジナルはマーサ&ザ・ヴァンデラス(Martha and the Vandellas)ですから、元々はモータウンのヒット曲です。 曲を書いたのは、ホーランド=ドジャー=ホーランド(Holland–Dozier–Holland)というモータウンのソングライティング・チーム。 彼女にとても合っている曲で、すばらしい選曲だと思います。 なおこの前のアルバム「プライベート・ヘブン(A Private Heaven)」にも、少し触れておきたいと思います。 そちらではプリンス(Prince)が「シュガー・ウォールズ(Sugar Walls)」という曲を提供したことが大きな話題となりました。 気になる方もいらっしゃると思いますので、リンクを貼っておきましょう。 Sheena Easton – Sugar Walls ちなみにこの曲が発表された1984年は「パープル・レイン(Purple Rain)」と同じ年です。

05_「Just Another Broken Heart」(アルバム:You Could Have Been With Me)
Sheena Easton - Just Another Broken Heart (1981)[174,269_2011/11/04]
■曲名:Just Another Broken Heart ■曲名邦題:涙のブロークン・ハート ■アルバム名:You Could Have Been With Me ■アルバム名邦題:涙のブロークン・ハート ■動画リンク:「Just Another Broken Heart」
セカンド・アルバムからの選曲です。 ファースト・アルバムがヒットしたせいか、基本的には前作の路線を継承しているように思います。 初期の彼女は、音楽面についてある方針があったのではないかと推測されます。 それは古き良き音楽の要素を取り入れるということ。 初期の彼女は外見上は現代的な女性を演出する一方で、音楽的にはオールディーズの要素をうまく取り入れていました。 当時は、ゴーゴーズ(The Go-Go’s)やトレイシー・ウルマン(Tracey Ullman)など、そういう売り出し方をされることがありました。 この曲でも、古く懐かしいドゥーワップみたいコーラスを入れていますよね。 新しさと古さのさじ加減が実に絶妙で、当時のプロモーション戦略は完璧だったと思います。

06_「Prisoner」(アルバム:Take My Time)
Sheena Easton - Prisoner[13,137_2016/06/03]
■曲名:Prisoner ■曲名邦題:愛のプリズナー ■アルバム名:Take My Time ■アルバム名邦題:モダンガール ■動画リンク:「Prisoner」
ファースト・アルバムは、なかなかの名曲ぞろいです。 この曲では、ギターが大活躍していますね。 ギターはフィル・パーマー(Phil Palmer)という人で、エリック・クラプトン(Eric Clapton)とも仕事をしている、知る人ぞ知るセッション・ギタリストです。 またプロデューサーのクリストファー・ニール(Christopher Neil)は、シンガーソングライター時代の作品がごく一部で評価されてた人です。 後にクリストファーはプロデューサーとして名を上げましたが、シーナの仕事まではほぼ無名の存在でした。 他に知っている名前は、ブリス・バンド(Bliss Band)のリーダー、ポール・ブリス(Paul Bliss)が参加していることぐらいでしょうか。 このすばらしいアルバムを支えている人は、当時無名な人ばかりだったというわけです。 このアルバムの成功は、当時のイギリス音楽シーンの勝利といえるかもしれません。

07_「For Your Eyes Only」(アルバム:For Your Eyes Only)
For Your Eyes Only[4,436,910_2016/08/24]
■曲名:For Your Eyes Only ■曲名邦題:ユア・アイズ・オンリー ■アルバム名:For Your Eyes Only ■アルバム名邦題:007 ユア・アイズ・オンリー ■動画リンク:「For Your Eyes Only」
彼女が音楽の道を志すようになったのは、バーブラ・ストライサンド(Barbra Streisand)の映画「追憶」を見たことがきっかけだそうです。 10代でその映画で歌うバーブラを見たシーナは、自分の進むべき道は歌だと確信したのだとか。 そういう彼女にとって映画の主題曲は、とてもうれしい仕事だったことでしょう。 しかも007シリーズというのですから、なおさらです。 曲を書いたのは、映画の音楽担当であるビル・コンティ(Bill Conti)。 元々この曲は、ブロンディ(Blondie)のデボラ・ハリ(Deborah Harry)が歌う予定だったそうですが、結果的にシーナが歌うことになったんだそうです。 シーナは見事期待に応えて、すばらしい歌を聞かせてくれています。

08_「The Lover in Me」(アルバム:The Lover in Me)
Sheena Easton - The Lover In Me[3,467,210_2009/11/23]
■曲名:The Lover in Me ■曲名邦題:ラヴァー・イン・ミー ■アルバム名:The Lover in Me ■アルバム名邦題:ラヴァー・イン・ミー ■動画リンク:「The Lover in Me」
1980年代の彼女は、音楽的に変化し続けてきました。 まずデビュー時のモダン・ポップ路線から始まり、しっとりした大人の歌を聞かせる路線に変更。 その後、セクシーで先鋭的なR&B路線へとシフトしていきました。 この曲はベイビーフェイス(Babyface)が提供しています。 私はR&B路線になってから、彼女の歌い方が少し変わったように感じます。 以前の彼女はそれほどクセの強くない歌い方でしたが、この頃はR&Bらしい粘っこい歌い方を身に着けていますね。 この路線は次作の「ホワット・カムズ・ナチュラリー(What Comes Naturally)」まで続きました。

09_「Are You Man Enough」(アルバム:Madness, Money & Music)
Sheena Easton - Are You Man Enough [HQ][4,929_2019/04/03]
■曲名:Are You Man Enough ■曲名邦題:愛のパスポート (アー・ユー・マン・イナフ) ■アルバム名:Madness, Money & Music ■アルバム名邦題:マシーナリー ■動画リンク:「Are You Man Enough」
アーティストには音楽から人柄がうかがえる場合と、そうでない場合があります。 この人は音楽から人間性が見えにくいタイプかもしれません。 ほとんど自分では曲を書かないので、歌詞からもどういう人か見えてきませんし。 そこでいくつかインタビューを読んでみました。 彼女の全盛期は1980年代だと思いますが、実は彼女にとってあまり良い時期ではなかったようです。 やりたいことができなくて、あまり楽しい記憶がないとのこと。 様々なインタビューを読んで思ったのは、実は感情豊かな人だったということです。 人間性が見えなかったのは、単に自分を抑えていただけだったのですね。 また彼女が影響を受けた音楽が、古いシンガーソングライターやジャズ・シンガーだということも分かりました。 しっかりした歌を聞かせてくれる人が好きみたいです。 このアルバムはバーブラ・ストライザンドのような曲が多く、彼女は見事に歌いこなしています。 辛い時期だったらしい1980年代で、最も素の自分を出せたアルバムかもしれません

10_「Telefone (Long Distance Love Affair)」(アルバム:Best Kept Secret)
Sheena Easton - Telefone (Long Distance Love Affair) - Official Music Video[3,029,889_2018/07/21]
■曲名:Telefone (Long Distance Love Affair) ■曲名邦題:TELEPHONE(テレフォン) ■アルバム名:Best Kept Secret ■アルバム名邦題:秘密 ■動画リンク:「Telefone (Long Distance Love Affair)」
彼女のボーカルには1つ特徴があります。 声が少し金属的で、特に高音部でキンキンするところがないでしょうか。 三白眼的といいますか。 その声質は、こういう少し尖った曲でこそ映えるかもしれません。 前作「Madness, Money & Music」はすばらしい出来でしたが、セールス的にはかなり苦戦しました。 そこで彼女はこのアルバムで、路線を修正してきました。 当時の彼女は1、2曲だけのヒットで消えてしまわないよう、長い目でキャリア形成しようと考えていたそうです。 だからこそ売れることにこだわって、やりたくない音楽にも挑戦してきたのだと。 しかしその後彼女は「ノー・ストリングス(No Strings)」で、昔からやりたかったジャズに挑戦しています。 それからはヒットチャートに顔を出すことはなくなりましたが、それでも本望かもしれません。 その後も順調にアルバムをリリースできていますし。 最初は不本意でも自分の知名度を高めて、その後じっくりマイペースで自分のやりたい音楽に取り組むという作戦は、どうやら成功したようです。 ただ私などは、彼女にとって不本意だと思われるこういう曲も結構好きなんですけどね。

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