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01_「Do You Remember Rock ‘n’ Roll Radio?」(アルバム:End of the Century)
Ramones - Do You Remember Rock and Roll Radio? (Official Music Video)[2,306,848_2019/11/12]
■曲名:Do You Remember Rock ‘n’ Roll Radio? ■曲名邦題:リメンバー・ロックンロール・レイディオ? (思い出のロックンロール・ラジオ) ■アルバム名:End of the Century ■アルバム名邦題:エンド・オブ・ザ・センチュリー ■動画リンク:「Do You Remember Rock ‘n’ Roll Radio?」
このアルバムはフィル・スペクター(Phil Spector)がプロデュースしています。 フィル・スペクターといえば「ウォール・オブ・サウンド」と呼ばれる独特な音づくりが特徴の人です。 「ウォール・オブ・サウンド」とは多重録音を駆使し、音を壁のように分厚くして、エコーをかけたサウンドのこと。 1960年代に一世風靡したサウンドでした。 ただその音づくりは、シンプルなガレージ・サウンドが特徴のラモーンズとは、相容れない感じがするかもしれません。 ラモーンズの音は、スカスカだからいいんだと。 しかしこの曲では、意外にも成功しています。 この曲は様々な楽器の音で埋め尽くされていますが、なんとも胸が弾むサウンドではないでしょうか。 ただこのレコーディングは、かなりの修羅場だったらしいです。 フィル・スペクターはメンバーに対して銃口を向け、彼の大邸宅に身柄を拘束して、延々と演奏させたそうです。 フィルは3つの拳銃を持ち歩いていたのだとか(笑) しかしこのアルバムは彼らの最高位を獲得し、この曲は彼らを代表する曲になりました。 過酷な体験だったかもしれませんが、得られたものも大きかったかもしれません。

02_「Blitzkrieg Bop」(アルバム:Ramones)
Ramones-Blitzkrieg Bop[25,872,592_2010/08/03]
■曲名:Blitzkrieg Bop ■曲名邦題:ブリッツクリーグ・バップ ■アルバム名:Ramones ■アルバム名邦題:ラモーンズの激情 ■動画リンク:「Blitzkrieg Bop」
デビューアルバムの1曲目で、デビュー・シングルの曲です あいさつ代わりの1曲といえるでしょう。 まず印象的なのはイントロの「Hey, ho, let’s go」という掛け声です。 実はこの部分は、ベイシティ・ローラーズ(Bay City Rollers)の「サタデー・ナイト(Saturday Night)」からヒントを得たのだそうです。 そちらのリンクを貼っておきましょう。 Bay City Rollers – Saturday Night 渋谷陽一はラモーンズについて「革ジャンを着た​ベイシティ・ローラーズ」と評しましたが、的確な表現だったかもしれません。 この曲はとにかくシンプルなところが魅力です。 よくシンプルな曲のことを「スリーコード・ソング」という言い方をします。 彼らはまさにそれで、そのシンプルさゆえ多くの人に愛されました。 今聞いてもピュアなロックに感動してしまいます。

03_「Rockaway Beach」(アルバム:It’s Alive)
Rockaway Beach (Live at Rainbow Theatre, London, 12/31/77) (2019 Remaster)[46,487_2019/09/26]
■曲名:Rockaway Beach ■曲名邦題:ロッカウェイ・ビーチ ■アルバム名:It’s Alive ■アルバム名邦題:イッツ・アライヴ 1974-1996 ■動画リンク:「Rockaway Beach」 ■Amazon:このアルバムについて、他のレビューを読みたい方は こちらから 私はニューヨークに行ったことがあります。 私にはお目当ての場所がありました。 それはニューヨーク・パンクの聖地「CBGB」と、昔ロリンズが吠えたジャズクラブ「Village Vanguard」。 当時の私は神保町でDOLL誌のバックナンバーを買い漁り、いつもスリムのブラック・ジーンズにバンダナという人でした。 ラモーンズみたいなライダース・ジャケットも持っていました。 そんな私が「CBGB」に行くというのは、いわゆる聖地巡礼だったかもしれません。 しかし当時の私はライブを躊躇してしまって、建物の前で記念写真を撮り、Tシャツを買って立ち去りました。 このライブ盤を聞くと、何でもいいからライブを見ておけばよかったと悔やまれます。 この曲はライブ・アルバムから選びました。 意外とパンクはライブの名作が少ないように思いますが、中でもこれはおすすめの1枚です。 この曲などは、スタジオ録音よりも良い出来だと思います。

04_「Needles and Pins」(アルバム:Road to Ruin)
Needles and Pins (2018 Remaster)[1,206,375_2020/05/23]
■曲名:Needles and Pins ■曲名邦題:針とピン ■アルバム名:Road to Ruin ■アルバム名邦題:ロード・トゥ・ルーイン ■動画リンク:「Needles and Pins」
「Rocket to Russia」と「End of the Century」という代表作に挟まれているせいか、このアルバムの知名度は高くありません。 しかし出来は両者に比べても遜色ありません。 前作「Rocket to Russia」は内容こそ良かったものの、セールス面では苦戦しました。 そこで作曲面でも貢献していたトミー・ラモーン(Tommy Ramone)がプロデュースに専念するため、ドラマーを辞めました。 このアルバムでは新加入のマーキー・ラモーン(Marky Ramone)が、ドラムを叩いています。 彼らはカバー曲が多く、しかも名カバーが多いように思います。 この曲もサーチャーズ(The Searchers)がオリジナルですが、原曲のリンクも貼っておきましょう。 The Searchers – Needles And Pins ソニー・ボノ(Sonny Bono)とジャック・ニッチェ(Jack Nitzsche)が書いた曲とご紹介した方が、反応する人がいるかもしれません。 この曲をカバーしたのは大正解だったと思います。 ただこのアルバムも全然売れませんでしたが。 そのセールス不振を受けて、ヒット請負人としてレコード会社から送り込まれた刺客が、先程ご紹介したフィル・スペクターでした。

05_「Sheena Is a Punk Rocker」(アルバム:Rocket to Russia)
Sheena Is a Punk Rocker (2001 Remaster)[5,384,574_2016/04/17]
■曲名:Sheena Is a Punk Rocker ■曲名邦題:シーナはパンク・ロッカー ■アルバム名:Rocket to Russia ■アルバム名邦題:ロケット・トゥ・ロシア ■動画リンク:「Sheena Is a Punk Rocker」
初めて曲名に「パンク・ロック」という言葉が入った曲だそうです。 ちなみにシーナ&ロケッツ(SHEENA & THE ROKKETS)のシーナという名前も、この曲に由来しています。 バンド活動をするにあたり、活動名を「シーナ」とする。この名は、夫・鮎川の祖母の名前が「鮎川シナ」であったことと、2人が好きなバンド・ラモーンズの「シーナはパンクロッカー」という曲が由来[3]。 シーナ (歌手) ウィキペディア ちなみにシーナとは、アメコミのキャラクターです。 ターザンの女性版みたいな感じでしょうか。 この曲では、彼女がパンク・ロッカーだと歌われています。 テーマ曲を引用していないかと調べたところ、実写版のシーナの映像を見つけました。 Sheena (1984) – 9 – Final fight with Prince ジープに乗り銃を持った密猟者らしき男に、シーナはシマウマに乗り、弓矢だけで立ち向かっています。 シーナは銃で撃たれてケガを負っても、まだ戦おうとしています。 ついにはシマウマからも落ちてしまいました。 はたして両者の決着はどうなったでしょうか。 熱いパンク・スピリットを感じたい方は、ぜひ上の動画で続きをご覧ください。

06_「I Wanna Be Sedated」(アルバム:Ramones Mania(The Best of 1976–1988))
Ramones - I Wanna Be Sedated (Official Music Video)[25,201,269_2018/09/13]
■曲名:I Wanna Be Sedated ■曲名邦題:アイ・ウォナ・ビー・シディテッド ■アルバム名:Ramones Mania(The Best of 1976–1988) ■アルバム名邦題:ラモーンズ・マニア ■動画リンク:「I Wanna Be Sedated」
このブログでは、ベスト盤とは異なったスタンスで選曲しています。 好きなアーティストのベスト・アルバムを聞いた時、良さが伝わらないと感じた経験のある方はいないでしょうか。 私は結構あります。 このブログではシングル曲や有名曲であっても、つまらないと思った曲は取り上げません。 またシングル以外に良い曲がないか探しまくって、隠れ名曲としてご紹介しています。 ただそんな私でも絶賛したいベスト盤がいくつかあります。 その中の1枚がこのアルバム。 まず選曲的に申し分ありませんし、30曲も入っていますし、質と量どちらも申し分ありません。 このベストには1988年以前の曲が選ばれていますが、続編の「Ramones Mania 2(The Best of 1989–1996)」には、それ以降の曲が収録されています。 彼らの最高傑作は、「Ramones」「Rocket to Russia」「End of the Century」の内のどれかだと言われています。 しかし私が押したいのは、この「Ramones Mania」。 選曲者は最高の仕事をしていると思いますから。 この曲は「Road to Ruin」の収録曲ですが、このベスト盤の1曲目を飾っています。 選曲者に敬意を評して、こちらの方でご紹介してみました。

07_「California Sun」(アルバム:Leave Home)
Ramones - "California Sun" - Leave Home[463,454_2015/01/07]
■曲名:California Sun ■曲名邦題:カリフォルニア・サン ■アルバム名:Leave Home ■アルバム名邦題:リーヴ・ホーム ■動画リンク:「California Sun」
セカンド・アルバムからの曲です。 ファースト・アルバムのように有名曲は入っていません。 そのせいかファースト以上に金太郎あめで、同じような曲ばかりが続きます。 アルバム全体で1曲みたいな(笑) 通常同じような曲ばかりというのは嫌がられるものですが、彼らの場合はむしろそうあってほしいかもしれません。 私は若い頃1人で残業する時用に、ラモーンズのCDを会社に常備していました。 会社置きのCDは常に入れ替えていましたが、ラモーンズはいつも何かしらありました。 テンションを上げて、一気に仕事を片づけられる気がしたんですよね。 しかしそのせいで今でも彼らを聞くと、残業を思い出してしまうという(苦笑) そんな昔話はさておき、この曲はリヴィエラズ(The Rivieras)のカバーです。 原曲のリンクを貼っておきましょう。 The Rivieras – California Sun 原曲に忠実なカバーにも関わらず、しっかりラモーンズ印が押されていますね。 まるでラモーンズのために書かれたみたいではないでしょうか。 彼らはサーフ・ロックの影響を受けていますが、リヴィエラズはサーフ・ロックのバンドです。 ラモーンズの音楽はとてもシンプルですが、様々な古い音楽のエッセンスが溶け込んでいます。 ワンパターンなのにあきないのは、意外と音楽的背景が豊かなせいがあるかもしれません。

08_「Do You Wanna Dance?」(アルバム:Rocket to Russia)
Do You Wanna Dance? (2017 Remaster)[810,254_2017/11/23]
■曲名:Do You Wanna Dance? ■曲名邦題:ドゥ・ユー・ウォナ・ダンス ■アルバム名:Rocket to Russia ■アルバム名邦題:ロケット・トゥ・ロシア ■動画リンク:「Do You Wanna Dance?」
ここで中心人物をご紹介しておきましょう。 まずボーカルのジョーイ・ラモーン(Joey Ramone)から。 ジョーイは198cmの長身と長髪、サングラスが特徴で、バンドの顔といえる存在です。 ただこのバンドの司令塔は、リーダーでギターのジョニー・ラモーン(Johnny Ramone)でした。 彼らの髪型やファッションは、ジョニーが決めていたそうです。 ジョニーは革のライダースジャケット、穴の開いたジーンズ、靴はコンバースがお好きだったようですね。 他のメンバーは違う服も着たかったようですが、しぶしぶジョニーの命令に従っていたのだとか。 ほとんどユニフォームみたいなものかもしれません。 今ではパンクの定番スタイルといえますが、当時彼らは異彩を放っていました。 ニューヨーク・パンクはテレヴィジョン(Television)、パティ・スミス(Patti Smith)、トーキング・ヘッズ(Talking Heads)など、知性派が多いことで知られています。 その中で彼らは真逆ともいえるキャラクターを打ち出しました。 兄弟でもないのにラモーン姓を名乗り、お揃いのファッション、単純で短い曲ばかり。 彼らはとてもキュートで、高度にスタイリッシュなバンドだったと思います。

09_「I Wanna Be Your Boyfriend」(アルバム:Ramones)
I Wanna Be Your Boyfriend[799,847_2017/04/16]
■曲名:I Wanna Be Your Boyfriend ■曲名邦題:アイ・ウォナ・ビー・ユア・ボーイフレンド ■アルバム名:Ramones ■アルバム名邦題:ラモーンズの激情 ■動画リンク:「I Wanna Be Your Boyfriend」
彼らの結成は意外と早く、1974年ニューヨークで結成されています。 最初のパンク・バンドの1つだと言われています。 彼らは最初からオリジナル曲が多く、このデビュー・アルバムでも1曲以外は自分たちで書いた曲です。 しかしそれはオリジナル志向が強かったからではありません。 デビュー時には他人の曲をカバーするほどの技術がなかったからのようです。 事実、次第に彼らはカバー曲をやるようになりました。 彼らの音楽はギターが中心ですが、あまり凝ったリフがありません。 ウィキペディアにもこう書かれています。 ダウンストローク一辺倒のハードなディストーションを利かせたギター ラモーンズ ウィキペディア 上の箇所を読んで、確かにそうだよなと思いました。 ダウンストロークとは、ピックを持った右手を上から下に振り下ろす弾き方です。 玄人も使いますが、素人はこれしかできません。 しかしギターのジョニー・ラモーンはギターソロなし、ダウンストローク中心のリフだけで、リスナーを熱狂させました。 技術的には難しくありませんが、この曲はロックンロールの魔法がかけられている特別仕様です。

10_「The Crusher」(アルバム:Adios Amigos)
RAMONES The crusher[35,341_2016/08/19]
■曲名:The Crusher ■曲名邦題:ザ・クラッシャー ■アルバム名:Adios Amigos ■アルバム名邦題:アディオス・アミーゴス〜さらば友よ〜 ■動画リンク:「The Crusher」
この曲は1995年のラスト・アルバムに収録されています。 翌年1996年、彼らは解散をすることになりました。 彼らは22年間で2263回のライブを行ったそうですから、かなりハードだったかもしれません。 年間平均で100回以上のライブを22年間も続けてきたのですから、お疲れ様でしたと言ってあげたいです。 移動時間や曲作りの時間以外に、3日に1回のライブは、かなり過酷だったのではないかと思われます。 今回は全盛期と呼ばれる「End of the Century」以前を中心に選曲しました。 しかしそれ以降も、水準を維持しています。 「プレザント・ドリームズ(Pleasant Dreams)」以降で、最も私が好きな曲が「The Crusher」で、カバー曲部門では以下の曲です。 Ramones – Substitute 今ではもうオリジナルメンバー全員がこの世にはいません。 ただ彼らのスタイルは「ラモーン・パンク」と呼ばれ、彼らの影響を公言するバンドは、今でも後を絶ちません。 彼らは最後までかっこいいパンク・バンドを演じてくれました。

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