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B.J. Thomas  目次  前Southside Johnny & The Asbury Jukes  次The Michael Schenker Group 

01_「Raindrops Keep Fallin’ on My Head」(アルバム:Raindrops Keep Fallin’ on My Head)
B. J. Thomas - Raindrops Keep Fallin' on My Head (Stereo / Lyrics)[2,088,194_2019/05/22]
■曲名:Raindrops Keep Fallin’ on My Head ■曲名邦題:雨にぬれても ■アルバム名:Raindrops Keep Fallin’ on My Head ■アルバム名邦題:雨にぬれても ■動画リンク:「Raindrops Keep Fallin’ on My Head」
この曲は、ジョージ・ロイ・ヒル監督の西部劇『明日に向って撃て!(Butch Cassidy and the Sundance Kid)』のテーマ曲として有名です。 名画との評判でしたので見てみましたが、確かにかなりの傑作でした。 さわりだけ書くと、舞台は開拓時代のアメリカ。 実在の銀行強盗、ブッチ・キャシディとサンダンス・キッドの人生を描いた作品です。 犯罪を重ねる2人の話ですから、陰惨な話かと思いきや、意外とそうでもありませんでした。 古き良きアメリカを懐古的に振り返った、前向きな気持ちにさせてくれる映画です。 歌詞もそんな感じ。 雨が降っても、全然問題ない なぜならもうすぐ幸せがやってくるから というような内容です。 上の動画では、実際の映画の映像が使われています。 ブッチ・キャシディが恋人を自転車の前に乗せて、家畜たちのいる豊かな緑の中、はしゃいでいる名シーンです。 また映画を見たくなってきました。

02_「Hooked on a Feeling」(アルバム:On My Way)
B J Thomas - Hooked on a Feeling[561,334_2013/06/27]
■曲名:Hooked on a Feeling ■曲名邦題:フックト・オン・ア・フィーリング ■アルバム名:On My Way ■アルバム名邦題:オン・マイ・ウェイ ■動画リンク:「Hooked on a Feeling」
この人の有名曲では、1位の曲がダントツの知名度です。 しかし私はこの曲も同じぐらい好きで、どちらを1位にするか相当迷いました。 この曲で特筆すべきは、名手レジー・ヤング(Reggie Young)によるエレクトリック・シタールの演奏です。 イントロからしてインパクトがありますが、2:19からの演奏もすばらしいです。 トーマスの幼馴染マーク・ジェームス(Mark James)が提供した曲で、シングルチャートの5位を獲得しました。 ブルー・スウェード(Blue Swede)がカバーしたバージョンも有名ですが、やはりこのオリジナルに尽きます。 このアルバムは、以前よりもポップな曲が増えました。 おそらくプロデューサーのチップス・モーマン(Chips Moman)の影響によるものだと思われます。 このアルバムは彼がブレイクする上で、ターニングポイントとなりました。 もう1曲、私のお気に入りをご紹介しておきましょう。 B. J. Thomas – Mr.Businessman ベスト盤で済まされがちな人ですが、この作品はアルバム単位で聞きごたえがあります。

03_「Everybody’s Out of Town」(アルバム:Everybody’s Out of Town)
B J Thomas Everybody's Out Of Town[100,526_2009/04/08]
■曲名:Everybody’s Out of Town ■曲名邦題:エヴリバディズ・アウト・オブ・タウン ■アルバム名:Everybody’s Out of Town ■アルバム名邦題:エヴリバディズ・アウト・オブ・タウン ■動画リンク:「Everybody’s Out of Town」
この人は情感豊かに歌い上げるボーカルが魅力ですが、単調でワンパターンなところがあるかもしれません。 しかしこの曲では、少し趣向を変えています。 オールド・タイミーな曲調で、力の抜けたいい塩梅の歌を聞かせてくれます。 この1つ前のシングルは、大ヒットした「Raindrops Keep Fallin’ on My Head」。 この曲は前シングルと同じく、バート・バカラック(Burt Bacharach)とハル・デヴィッド(Hal David)の名コンビによるもので、とぼけた味わいのある曲に仕上がっています。 歌詞は少し変わっていて、気づいたら街には誰もいなかったという内容の曲。 おそらく公害など罪深いこの世界は、誰もいないところからやり直した方がいいのではないかと主張しているようです。 このアルバムでは他に「アイ・ジャスト・キャント・ヘルプ・ビリーヴィング(I Just Can’t Help Believing)」もヒットしました。 次のアルバム「モースト・オブ・オール(Most of All)」までが、セールス面での全盛期だといえるでしょう。

04_「Early Morning Hush」(アルバム:Songs)
B.J. Thomas - Early Morning Hush[4,729_2015/07/05]
■曲名:Early Morning Hush ■曲名邦題:アーリー・モーニング・ハッシュ ■アルバム名:Songs ■アルバム名邦題:ソングス ■動画リンク:「Early Morning Hush」 かつて名盤の殿堂シリーズで発売されたことがある作品で、日本ではシンガーソングライター・ファンを中心に根強い人気があります。 彼はこのアルバムから、パラマウント・レコード(Paramount Records)に移籍しました。 パラマウントは映画会社として有名で、資金的にも潤沢でしたが、プロモーション面に問題があったようです。 結果このアルバムは、200位にも入りませんでした。 それにもかかわらずこの作品が日本で人気があるのは、この曲の存在が大きいかもしれません。 彼は自分では曲を書かず、職業作家が書いた曲を歌っています。 このアルバムでもそうそうたる人が曲を提供していますが、この曲ではキャロル・キング(Carole King)が提供しています。 アルバム・タイトルが「Songs」というのも、シンプルでいいですね。 彼はソングライターではありませんが、シンガーソングライター好きの琴線に触れるところがあります。

05_「Rock and Roll Lullaby」(アルバム:Billy Joe Thomas)
Rock and Roll Lullaby - B.J. Thomas 1972[152,620_2016/01/25]
■曲名:Rock and Roll Lullaby ■曲名邦題:ロックンロール・ララバイ ■アルバム名:Billy Joe Thomas ■アルバム名邦題:ビリー・ジョー・トーマス~スーパー・セッション ■動画リンク:「Rock and Roll Lullaby」
音楽通に人気のあるアルバムです。 この人の歴史を追うと、初期の模索期、ポップ路線の全盛期、その後のシンガーソングライターっぽい時期に分かれます。 この頃はシンガーソングライターっぽい時期の名曲です。 ただ先程申し上げたように、彼は自分で曲を書きませんが、曲を提供をする人にSSWが多かったのですね。 彼はアート・ガーファンクル(Art Garfunkel)と並んで、曲の解釈にすぐれた人でした。 ここでも曲の魅力を余すところなく表現しています。 まさに稀代の名唱ではないでしょうか この曲を提供したのは、バリー・マン(Barry Mann)とシンシア・ワイル(Cynthia Weil)。 このアルバムは1972年にリリースされましたが、その前年バリー・マンは「レイ・イット・オール・アウト(Lay It All Out)」というSSW的な名盤を発表しました。 このアルバムと雰囲気的に近いので、もしこの曲が気に入ったら、そちらの方もチェックしてみてください。 どちらも伝統的なアメリカン・ポップスを、SSW風に再現したすばらしい音楽です。

06_「Happier Than the Morning Sun」(アルバム:Billy Joe Thomas)
Happier Than the Morning Sun (Remastered)[8,023_2015/01/08]
■曲名:Happier Than the Morning Sun ■曲名邦題:ハッピァー・ザン・ザ・モーニング・サン ■アルバム名:Billy Joe Thomas ■アルバム名邦題:ビリー・ジョー・トーマス~スーパー・セッション ■動画リンク:「Happier Than the Morning Sun」
原曲はスティーヴィー・ワンダー(Stevie Wonder)で、「心の詩(Music of My Mind))」に収録されています。 ニック・デカロ(Nick DeCaro)がカバーしたことでも知られている曲ですが、取り上げたのはBJの方が先です。 1972年にオリジナルがリリースされて、すぐカバーしていますから。 ちなみにこの曲では、スティーヴィー本人がハーモニカを吹いています。 組み合わせ的にどうかという感じもしますが、意外と相性が良いようですね。 邦題に「スーパー・セッション」とあるのは、このアルバムのゲストの豪華さを表現した言葉だと思われます。 この曲を直訳すると「朝日よりも幸せ」という意味。 スティーヴィーは目が見えないので、朝日を見ることができないはずです。 しかしこの曲を聞くと、目が見える人以上に「朝日よりも幸せ」と感じさせてくれるのが不思議ですね。 BJはまっすぐにメロディを解釈していて、この傑作曲のポテンシャルを最大限に引き出しています。

07_「If You Must Leave My Life」(アルバム:Raindrops Keep Fallin’ on My Head)
If You Must Leave My Life[759_2017/12/01]
■曲名:If You Must Leave My Life ■曲名邦題:イフ・ユー・マスト・リーヴ・マイ・ライフ ■アルバム名:Raindrops Keep Fallin’ on My Head ■アルバム名邦題:雨にぬれても ■動画リンク:「If You Must Leave My Life」
この曲はジミー・ウェッブ(Jim Webb)の提供曲です。 BJの最高傑作は、人によって意見が割れると思います。 私が聞かれたら「On My Way」「Billy Joe Thomas」、そしてこのアルバムのどれかだと答えることでしょう。 3枚とも同じぐらい好きかもしれません。 このアルバムではタイトル曲ばかりが言及されがちですが、私はこの曲も負けないぐらいすばらしいと思います。 ストリングスやホーンの使い方がすばらしく、ソフト・ロックに近い魅力が感じられます。 この曲の聞きどころは2:09から。 男女混成コーラスがラララと歌い上げるところからをお聞きください。 その背後では、ベースが躍動しています。 楽曲、歌、アレンジ、演奏、コーラス、どれをとっても名曲と呼ぶにふさわしい出来だと思います。

08_「It’s Not Unusual」(アルバム:I’m So Lonesome I Could Cry)
B.J. Thomas - It's Not Unusual[2,784_2015/10/20]
■曲名:It’s Not Unusual ■曲名邦題:よくあることさ ■アルバム名:I’m So Lonesome I Could Cry ■アルバム名邦題:アイム・ソー・ロンサム・アイ・クッド・クライ ■動画リンク:「It’s Not Unusual」
この曲はトム・ジョーンズ(Tom Jones)のバージョンが有名です。 そちらとは少しアレンジが違いますが、こちらもなかなかではないでしょうか。 デビュー・アルバムからの選曲です。 1966年彼は、ザ・トライアンフス(The Triumphs)というバンド名義で「I’m So Lonesome I Could Cry」というアルバムを発表しました。 同年同じアルバム名で、ソロ・デビューを果たしています。 アルバム・タイトル曲は、カントリー界のレジェンド・ハンク・ウィリアムズ(Hank Williams)のカバーですが、その曲がヒットして、幸先の良いスタートを切ることができました。 ただ彼はカントリーっぽいところもありますが、典型的なカントリー・シンガーではありません。 このアルバムを通して聞くと、ウィルソン・ピケット(Wilson Pickett)のカバー曲もあって、音楽性が定まっていないようですね。 その分過渡期ならではのおもしろさがありますが。 私はソフトロック風の以下の曲も好きです。 B. J. Thomas – Terri ゲイリー・ルイス&ザ・プレイボーイズ(Gary Lewis & the Playboys)みたいな佳曲です。 次のアルバム「Tomorrow Never Comes」では保守的になりすぎて、伸び悩みました。

09_「(Hey Won’t You Play) Another Somebody Done Somebody Wrong Song」(アルバム:Reunion)
B.J Thomas ANOTHER SOMEBODY DONE SOMEBODY WRONG[1,818,458_2015/04/05]
■曲名:(Hey Won’t You Play) Another Somebody Done Somebody Wrong Song ■曲名邦題:心にひびく愛の歌 ■アルバム名:Reunion ■アルバム名邦題:心にひびく愛の歌 ■動画リンク:「(Hey Won’t You Play) Another Somebody Done Somebody Wrong Song」
今回ご紹介した中で最も新しい曲です。 といっても1975年の作品ですが、当時はパンク前夜で、彼のようなシンガーは洗練された方向に向いつつありました。 そんな新しい時代の黎明期にリリースされたこの曲は、なんともあかぬけないカントリー風味の曲でした。 しかし私などは、むしろそこが良いと感じます。 彼の歌にはおおらかさや包容力があって、保守的なアメリカ人の情緒に寄り添うところがあります。 よくアメリカのことを「巨大な田舎」と呼ぶ人がいますが、そういう意味で彼はアメリカ人らしいシンガーかもしれません。 確かにやぼったい曲かもしれません。 しかしそのやぼったさの衣の下には、きわめて人間らしい温かみがあります。 私はBJの音楽を通じて、古き良きアメリカを感じ取っているのかもしれません。

10_「Living Again」(アルバム:Young and in Love)
Living Again: BJ Thomas finds wonderful soul pop on the 1969 Young and in Love album cut in Memphis[3,950_2012/07/07]
■曲名:Living Again ■アルバム名:Young and in Love ■動画リンク:「Living Again」
最後に私が偏愛する隠れ名曲をご紹介しておきましょう。 この人は、しっとりした曲で持ち味を発揮しやすいと思います。 他にいくらでもご紹介すべき曲はありますし、この曲を気に入っていただけるかどうか自信がありません。 ただ私は基本的にロック・ファンなので、体質にこういう曲が合うようです。 まずオールド・ロックを感じさせるイントロのドラムがいいですね。 まるでフィリー・ソウルのように飛翔するストリングスも、スピリチュアルなコーラスもすばらしいです。 しかしこの曲の後半には、更に最高の瞬間が待ち受けています。 ぜひ2:36から聞いてみてください。 ここでもエレクトリック・シタールが登場しています。 「Hooked on a Feeling」になり損ねた曲かもしれませんが、終わり部分のシタールについては、こちらの方に軍配を挙げたいと思います。 このサイケかつ摩訶不思議なシタールが、私を虜にして止みません。

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