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Foghat  目次  前America  次The Monkees 

01_「I Just Want to Make Love to You」(アルバム:Foghat)
Foghat I Just Want To Make Love To You[644,700_2011/11/25]
■曲名:I Just Want to Make Love to You ■曲名邦題:アイ・ジャスト・ウォント・トゥ・メイク・ラヴ・トゥ・ユー ■アルバム名:Foghat ■アルバム名邦題:フォガット ■動画リンク:「I Just Want to Make Love to You」
彼らはサヴォイ・ブラウン(Savoy Brown)のメンバーが独立して結成されたバンドです。 サヴォイ・ブラウンからリーダーのキム・シモンズ(Kim Simmonds)を含む4名中、なんと3名が脱退しました。 デビュー時の構成は、以下の通りです。 ■サヴォイ・ブラウン脱退組 ・トニー・スティーブンス(Tony Stevens):ベース ・ロジャー・アール(Roger Earl): ドラム ・デイヴ・ペヴァレット(Dave Peverett):ギター ※別名:ロンサム・デイヴ(Lonesome Dave) ■新加入 ・ロッド・プライス(Rod Price):ギター 4人中3人いるのですから、こちらがサヴォイ・ブラウンと名乗った方がいいかもしれません。 ただサヴォイ・ブラウンもキム・シモンズが踏ん張って立て直しましたし、フォガットも人気バンドになりましから、結果オーライではないでしょうか。 この曲はフォガットのファースト・アルバムの1曲目で、ファースト・シングルでもあります。 まさに名刺代わりの1曲といえるでしょう。 ミディアム~スローで演奏されることの多い曲ですが、攻めの解釈をしていて、とてもかっこいいです。

02_「Fool for the City」(アルバム:Fool for the City)
Fool for the City (2016 Remaster)[269,748_2016/04/17]
■曲名:Fool for the City ■曲名邦題:フール・フォー・ザ・シティ ■アルバム名:Fool for the City ■アルバム名邦題:フール・フォー・ザ・シティ ■動画リンク:「Fool for the City」
まず「Fool for the City」というタイトルからして意味不明です。 「for」をどう訳せばいいのかよく分かりませんが、歌詞を読むとシンプルに「都会の愚か者」と訳していいような気がしてきました。 「俺は田舎の少年じゃない」と主張していますし。 都会ではみんな忙しそうにしているけれど、俺はまったりさせてもらうぜみたいな歌詞です。 アルバム・ジャケットもそんな感じに見えますね。 ちなみに写真の人物は、ドラムのロジャー・アールです。 フォガットが所属する事務所近くのストリートで、石鹸箱に座っています。 よく見ると、釣り竿を持っていますね。 そして彼の目の前には、フタの開いたマンホールがあります。 ワカサギ釣りでしょうか(笑) なんでもベースのニック・ジェイムソン(Nick Jameson)のアイデアだったのだとか。 眠らないまま日曜日の朝を迎えて、そのままノリで撮影したそうです。 この曲はそんな能天気な彼ららしい名曲です。 クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル(Creedence Clearwater Revival)に通じるような乾いたギター・サウンドが、とても心地よい曲ですね。

03_「Honey Hush」(アルバム:Energized)
Honey Hush (2016 Remaster)[56,989_2017/01/26]
■曲名:Honey Hush ■曲名邦題:ハニー・ハッシュ ■アルバム名:Energized ■アルバム名邦題:電撃のフォガット ■動画リンク:「Honey Hush」
この曲はヤードバーズ(The Yardbirds)の「トレイン・ケプト・ア・ローリン(Train Kept A-Rollin’)」を改作した曲です。 リフがかなり似ているので、改作ではなくカバー曲のように思えますが。。。 通算3枚目のアルバムで、彼らは成功の過程にありました。 このアルバムは、アメリカのアルバム・チャートで34位を記録しています。 ちなみに彼らはイギリス出身のバンドですが、アメリカでの人気が突出して高く、日本を含めて他の国ではそれほど人気がありません。 アメリカは彼らのような陽性のブルース・ロックが受け入れられやすい土地柄です。 日本でももっと聞かれてほしいですが。 この曲はひたすらギターのリフで押していく、とても痛快な曲です。 ちなみにアルバムの邦題は「電撃のフォガット」ですが、原題「Energized」は「元気づけられる」という意味です。 まさしくそんな感じの曲ではないでしょうか。

04_「My Babe」(アルバム:Fool for the City)
foghat - my babe[219,262_2008/07/14]
■曲名:My Babe ■曲名邦題:マイ・ベイブ ■アルバム名:Fool for the City ■アルバム名邦題:フール・フォー・ザ・シティ ■動画リンク:「My Babe」
彼らの最高傑作といわれることが多いアルバムです。 彼らの音楽は、ストレートなブギ・サウンドが特徴です。 ブギとは何か、以下に引用しておきましょう。 ブギ(boogie)とはスウィングまたはシャッフルのリズムによる反復フレーズでありブルース、スウィング・ジャズ、ロックンロールなどの音楽で用いられる。ブギーとも表記される。 ブギ ウィキペディア 言葉では伝わってこないかもしれません。 感覚的な話なので人によっては違う思うかもしれませんが、私はこの曲の冒頭30秒までの演奏が、ブギという感じがします。 ザックザック反復している感じといいますか。 このバンドの場合はハードロック色が強いこともあって、ハード・ブギと呼ばれたりもします。 ただ土台にはブルースがあって、この曲でも2:08からブルースっぽいギターソロを聞かせてくれています。 このバンドの主要成分は、ハードロック + ブギ + ブルースかもしれません。

05_「Ride, Ride, Ride」(アルバム:Foghat)
Ride, Ride, Ride (2016 Remaster)[35,464_2016/04/17]
■曲名:Ride, Ride, Ride ■曲名邦題:ライド・ライド・ライド ■アルバム名:Foghat ■アルバム名邦題:フォガット(ロックン・ロール) ■動画リンク:「Ride, Ride, Ride」
このセカンド・アルバムの原題は「Foghat」です。 ファーストアルバムと同じタイトルで区別できないことから、通称「ロックンロール」と呼ばれています。 2作連続で同じタイトルとは、とてもまぎわらしいですよね。 アルバムタイトルを考えるのが面倒だったのでしょうか(笑) また「ロックンロール」という通称も、私だったら「石とパン」とでも呼びたいところですけどね。 それはさておき、このセカンド・アルバムはファーストの音楽性を、そのまま引き継いでいます。 彼らが活躍した1970年代は、音楽の進歩が著しい時代でした。 多くのアーティストが変化に合わせて、適宜時代に合わせていました。 一方このバンドは判で押したように、ずっとこの調子です。 1979年の「Boogie Motel」で少しポップになるまで、8枚のアルバムほぼ全てがこんな曲ばかりです。 彼らはワンパターンなバンドだと言われますが、私は否定しません。 むしろそこがいいと答えることでしょう。

06_「Easy Money」(アルバム:Stone Blue)
Easy Money (2016 Remaster)[28,633_2016/04/17]
■曲名:Easy Money ■曲名邦題:イージー・マネー ■アルバム名:Stone Blue ■アルバム名邦題:ストーン・ブルー ■動画リンク:「Easy Money」
このアルバムが発売されていた1978年、彼らは古い化石みたいな存在だと思われていました。 世間ではパンク・ロックが勃興して、とかく古いロック・バンドは否定されがちでした。 もしかしたら彼らもこの曲で、少しパンクを意識したのかもしれません。 このアルバムはそれほど注目されませんが、内容的にはとても充実しています。 ただ同時にその後の低迷を予感させる部分も感じられますが。 このアルバムからもう一曲ご紹介しておきましょう。 Foghat – Stone Blue とてもよくできた曲なのですが、このバンドの場合「よくできた」ということが問題です。 上記の曲は、少し型にはまっているというか、優等生的な感じがしないでもありません。 このバンドの魅力は、天然で作為のないところです。 彼らは「Fool for the City」のジャケットのように、時には単なる思いつきで暴走するようなところもあります。 ちなみにバンド名は「fog」+「hat」つまり「霧の帽子」という意味です。 これも単なる言葉遊びらしいのですが、大事なはずのバンド名を決める時でさえこんな調子です。 こういうバンドは小さくまとめず、彼らの本能に任せておくべきかもしれません。

07_「Take It or Leave It」(アルバム:Fool for the City)
Take It or Leave It (2016 Remaster)[28,868_2016/04/17]
■曲名:Take It or Leave It ■曲名邦題:テイク・イット・オア・リーヴ・イット ■アルバム名:Fool for the City ■アルバム名邦題:フール・フォー・ザ・シティ ■動画リンク:「Take It or Leave It」
ここまでハード・ブギな曲をご紹介しました。 しかし時々はバラードで変化を付けた方が、ハード・ブギな曲もより引き立つかもしれません。 さて彼らはデビュー以来、ずっと同じメンバーで、同じようなアルバムをつくり続けてきました。 レーベルも一貫してベアズヴィル・レコード(Bearsville Records)ですし。 しかしこのアルバムでは、初めてメンバーチェンジがありました。 ベースが「Rock and Roll Outlaws」でプロデューサーを務めたニック・ジェイムソン(Nick Jameson)になりました。 しかし次のアルバムでは、クレイグ・マクレガー(Craig MacGregor)に交代しています。 結局ニック・ジェイムソンは、このアルバム限りとなりましたが、彼の忘れ形見として記憶しておきたいのがこの曲です。 肉料理みたいな曲の中で、デザートみたいな役割を果たしている曲かもしれません。

08_「Rock and Roll Outlaw」(アルバム:Rock and Roll Outlaws)
Rock And Roll Outlaw (2016 Remastered)[22,919_2016/08/24]
■曲名:Rock and Roll Outlaw ■曲名邦題:ロックン・ロール・アウトロー ■アルバム名:Rock and Roll Outlaws ■アルバム名邦題:ロックン・ロール・アウトロー ■動画リンク:「Rock and Roll Outlaw」
彼らの特徴は、ツイン・リード・ギターです。 ロンサム・デイヴとロッド・プライスというギターの2人が、このバンドの看板といえるでしょう。 ツイン・リードなので、どちらもギターソロを弾くのだと思われます。 正直私は2人の演奏を聞き分けられませんが、一つはっきりしていることがあります。 それは豪快なスライド・ギターを弾いているのが、ロッド・プライスということ。 この曲でも2:52にスライドっぽいフレーズで曲を勢いづけているのが、ロッドかなと思います。 録音が悪いので少し聞こえにくいですが。 2本のギターが入っているメリットは、2本のギター間の妙味が味わえることです。 彼らはリフがすばらしいのですが、そこに絡むギターソロも実に聞きごたえがあります。

09_「Take Me to the River」(アルバム:Night Shift)
FOGHAT - Take Me To The River[227,428_2014/03/25]
■曲名:Take Me to the River ■曲名邦題:テイク・ミー・トゥ・ザ・リヴァー ■アルバム名:Night Shift ■アルバム名邦題:ナイト・シフト ■動画リンク:「Take Me to the River」
この曲はアル・グリーン(Al Green)のカバー曲です。 ちなみにこの曲名で検索すると、検索の1位はトーキング・ヘッズの曲が出てきます。 Talking Heads – Take Me To The River フォガットとは全然タイプが違いますね。 さて先程フォガットは、ブルース・ロックだと申し上げました。 昔の私は、ZZトップやフォガットのようなグループを、ブルース・ロックと呼ぶことに違和感がありました。 黒人のブルース・メンの演奏とはかなり違うように感じられましたし、ただ単にロックではないのかと。 そんなことをふと思い出しました。 しかし今の自分で回答するとしたら、ギターがブルースを弾いていれば、ブルースだということです。 この曲でも2:29からのギターソロは、まさしくブルースですし。 また3:31からのギターソロも、大変すばらしい出来です。 ソウルの名曲をブルース・ロックとして、すばらしい解釈をしていると思います。

10_「Slow Ride」(アルバム:Live)
Slow Ride (Live) (2016 Remaster)[179,350_2016/04/17]
■曲名:Slow Ride ■曲名邦題:スロー・ライド ■アルバム名:Live ■アルバム名邦題:フォガット・ライヴ ■動画リンク:「Slow Ride」
1970年代のロックバンドは、必ずライブの代表作がありました。 彼らもこのライブ・アルバムが、アルバム・チャートの11位まで駆け上がり、最大のヒットを記録しています。 前半のレイドバックしたノリも良いのですが、この曲は後半の狂い方が聞きどころです。 この曲は「Fool for the City」に収録されている方がオリジナルですが、今回はこちらのライブ・バージョンの方を選んでみました。 特に7:08からのギターの演奏は、今のロックに聞きなれている人には、無駄に熱いとしか思えないかもしれません。 しかしこうした無軌道な熱狂こそが、オールド・ロックの醍醐味ではないでしょうか。 豪快で、男くさく、粗く、力技で、本能まかせの音楽。 古くさいと思う人もいるでしょう。 実際、細部では古びている部分もあるかもしれません。 しかし音楽そのものが持つ生命力は、いまだ格別な曲ではないでしょうか。

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