03_「Difficult Fun」(アルバム:Return of the Giant Slits) The Slits "Difficult Fun"[41,300_2010/05/02]
■曲名:Difficult Fun
■曲名邦題:ディフィカルト・ファン
■アルバム名:Return of the Giant Slits
■アルバム名邦題:大地の音
■動画リンク:「Difficult Fun」
セカンドアルバムからの選曲です。
アルバム名「Return of the Giant Slits」を訳すと「巨人スリッツの帰還」でしょうか。
私の想像ですが、アップセッターズ(Upsetters)の「リターン・オブ・ザ・スーパー・エイプ(Return of the Super Ape)」をもじっているのかもしれません。
upsetters-return
いかにも彼女たちが好みそうな感じではないでしょうか。
ちなみにバンド名の「Slits」とは「裂け目」みたいな意味で、女性器を意味するスラングだそうです。
マジかよと言いたくなりますね。
この曲名も「Difficult Fun」つまり「難しい遊び」という意味ですが、彼女たちの遊びを理解するのは、確かに難易度が高そうです。
04_「I Heard It Through the Grapevine」(アルバム:Cut) The Slits - I Heard It Through The Grapevine (HQ)[350,051_2015/08/09]
■曲名:I Heard It Through the Grapevine
■曲名邦題:悲しい噂
■アルバム名:Cut
■アルバム名邦題:カット
■動画リンク:「I Heard It Through the Grapevine」
私は最初この曲に抵抗を覚えました。
というのは、この曲がマーヴィン・ゲイ(Marvin Gaye)で有名な、古いソウル・ミュージックのカバーだったからです。
私はむしろマービン・ゲイの原曲を好きです。
しかし彼女たちがなぜわざわざ古い曲をカバーするのか、必然性が感じられないのですね。
どうやら私は彼女たちに新進奇抜な存在でいてほしいようです。
しかしこの曲を外すことはできません。
彼女たちの1枚目と2枚目は、デニス・ボーヴェル(Dennis Bovel)がプロデュースを担当しています。
デニス・ボーヴェルはレゲエ/ダブのプロデューサーで、マトゥンビ(Matumbi)や、ブラックベアード(Blackbeard)名義でアルバムをリリースしています。
どれも名盤ばかりですので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。
この曲は彼が手掛けたスリッツの曲中でも、最もすばらしい仕事だと思います。
先鋭的でポップなサウンドがたまりません。
それにもかかわらずこの順位なのは、古い曲のカバーかという私の先入観ゆえです。
彼女たちの発想はもっと自由なのに、私は追い付いていないようですね。
05_「Improperly Dressed」(アルバム:Return of the Giant Slits) The Slits "Improperly Dressed"[35,784_2011/04/06]
■曲名:Improperly Dressed
■曲名邦題:ステキな衣装
■アルバム名:Return of the Giant Slits
■アルバム名邦題:大地の音
■動画リンク:「Improperly Dressed」
元々彼女たちはパンク・バンドでした。
初期メンバーのパルモリヴは、ザ・クラッシュ(The Clash)のメンバーと交際していて、フラワーズ・オブ・ロマンス(The Flowers of Romance)というシド・ヴィシャス(Sid Vicious)がいたパンク・バンドに参加していた人です。
初期音源曲集「イン・ザ・ビギニング(In The Beginning)」では、パンクとしか言いようがありません。
しかしこのバンドはその後突然変異を起こします。
ダブ・サウンドの導入、加えて得体のしれない無国籍サウンドが目立ってきました。
もしかしたらザ・ポップ・グループ(The Pop Group)あたりの影響が大きいかもしれません。
当時彼女たちはアイランド・レコード(Island Records)から、ラフ・トレード・レコード(Rough Trade Records)に移籍しようとしましたが、それも頓挫し結果ポップ・グループのY Recordsに移籍となりました。
Y Recordsでは「Y3LP – The Official Bootleg」という興味深い未発表曲集を発表しています。
1曲リンクを貼っておきましょう。
The Slits – Mosquitoes
既に無国籍サウンドになっていることが分かりますね。
元々こういう部分は、彼女たちの資質の中にあったようです。
さて今回ご紹介した「Improperly Dressed」も、偽ワールド・ミュージックといった感じの曲です。
少し中近東な音楽っぽいところもありますが、2:22からのパーカッショからの展開がスリリングではないでしょうか。
06_「Earthbeat」(アルバム:Return of the Giant Slits) The Slits - Earthbeat (Official Video)[140,188_2018/08/24]
■曲名:Earthbeat
■曲名邦題:大地の音
■アルバム名:Return of the Giant Slits
■アルバム名邦題:大地の音
■動画リンク:「Earthbeat」
ここでメンバー構成を整理しておきましょう。
アリ・アップ(Ari Up):ボーカル
テッサ・ポリット(Tessa Pollitt):ベース
ヴィヴ・アルバータイン(Viv Albertine):ギター
ちなみにデビュー前に初期の重要メンバー、パルモリヴ(Palmolive)が脱退して、アルバムではバッジー(Budgie)がドラムを叩いています。
しかしバッジーがスージー・アンド・ザ・バンシーズ(Siouxsie And The Banshees)に加入するために脱退すると、セカンド・アルバムではブルース・スミス(Bruce Smith)がドラムを担当しました。
しかし彼女たちは基本的にドラムを固定していませんので、コアメンバーは上記3名と考えていいと思います。
さてこの曲は「大地の歌」という曲です。
曲名の通り全編でアフリカっぽいドラムが鳴り響く中、ひかえめに華やぐ彼女たちのコーラスが聞きどころです。
ちなみにこの曲には日本語バージョンがあります。
そちらの方もリンクを貼っておきましょう。
The Slits – Daichi No Oto ( “Earthbeat” Japanese Version)
こちらは英語バージョンより不気味で奔放な曲に仕上がっています。