04_「Easy to Slip」(アルバム:Sailin’ Shoes) Easy to Slip[263,541_2014/11/09]
■曲名:Easy to Slip
■曲名邦題:イージー・トゥ・スリップ
■アルバム名:Sailin’ Shoes
■アルバム名邦題:セイリン・シューズ
■動画リンク:「Easy to Slip」
このバンドをアメリカのローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)という言い方をする人もいます。
確かに「Sailin’ Shoes」「Dixie Chicken」あたりでは、ストーンズとの共通点が感じられます。
「Dixie Chicken」は「レット・イット・ブリード(Let It Bleed)」あたりをヒントにしたのかもしれません。
「Roll Um Easy」は「No Expectations」みたいですし、この曲のイントロも「Street Fighting Man」のギターの鳴り方に近いものを感じます。
コーラスの使い方なども、かなり影響を受けている感じがしますしね。
またこのアルバムから彼らのトレードマークといえる、ネオンパーク(NeonPark)がアルバム・ジャケットを手掛けるようになりました。
おそらくフランク・ザッパが「いたち野郎(Weasels Ripped My Flesh)」で、ネオンパークを起用したのを真似したのだと思われます。
後にこのバンドはオンリーワンの存在となりましたが、その過程では他から影響を受けまくってきたのですね。
05_「Texas Rose Cafe」(アルバム:Sailin’ Shoes) Texas Rose Cafe[37,507_2014/11/09]
■曲名:Texas Rose Cafe
■曲名邦題:テキサス・ローズ・カフェ
■アルバム名:Sailin’ Shoes
■アルバム名邦題:セイリン・シューズ
■動画リンク:「Texas Rose Cafe」
実在するカフェのことを歌っている曲です。
ローウェル・ジョージがあるヒッピー用のレストランを気に入って曲にしたのだとか。
そういういきさつのせいか、この曲には映像喚起力が感じられます。
このアルバムには他にも、音のすき間が感じられる曲が多いように感じます。
たとえばこの曲の最初の30秒ほどをお聞きください。
ボーカル以外にも多くの楽器が入っていますが、演奏は意外なほどスカスカな印象です。
まるで音の空間を埋めてしまわない様に、皆で示し合わせ注意深く音を出しているみたいですね。
ただそのすき間のせいで、とても想像力をかき立てる音響空間ができ上っています。
また1:56から唐突にプログレッシブな展開になりますが、こういうところはザッパから学んだかもしれません。
趣味の良いミニシアター系映画を見ているような気分にさせてくれる曲です。
06_「Two Trains」(アルバム:Dixie Chicken) Little Feat - Two Trains[151,539_2013/02/17]
■曲名:Two Trains
■曲名邦題:トゥー・トレインズ
■アルバム名:Dixie Chicken
■アルバム名邦題:ディキシー・チキン
■動画リンク:「Two Trains」
このアルバムで彼らはメンバー構成を変えています。
新たにギタリストのポール・バレア(Paul Barrere)とパーカッショニストのサム・クレイトン(Sam Clayton)が加わりました。
この変更は、彼らが向かおうとしていた行く先を示唆していました。
ポールはロックだけでなく、ジャズやケイジャン音楽など、幅広いバックグラウンドを持っている人です。
ポールは早速このアルバムの曲作りに参加して、次作「Feats Don’t Fail Me Now」では「Skin it Back」という、後期を代表する名曲を書きました。
後のフュージョン・ロック路線のキーマンです。
またパーカショニストを加入させたのは、もちろんリズムを重視する意図があるのだと思わます。
実際この曲でもパーカッションが活躍していますね。
またベースもロイ・エストラーダ(Roy Estrada)から、ケニー・グラッドニー(Kenny Gradney)に替わりました。
そのせいでリズムが少し粘っこくなったように思います。
07_「I’ve Been the One」(アルバム:Little Feat) I've Been The One - Little Feat[23,718_2013/03/03]
■曲名:I’ve Been the One
■曲名邦題:アイヴ・ビーン・ザ・ワン
■アルバム名:Little Feat
■アルバム名邦題:リトル・フィート・ファースト
■動画リンク:「I’ve Been the One」
ローウェル・ジョージはザッパのバンドに加入する前にファクトリー(The Factory)というバンドでデビューを果たしていました。
そのバンドの曲のリンクを貼っておきます。
Lowell George & The Factory – Smile, Let Your Life Begin
このバンドではフォーク・ロックっぽい音楽をやっています。
ザッパがファクトリーをプロデュースしたことがきっかけで、ローウェルはザッパのバンドに加入することになりました。
一方でローウェル・ジョージは、尺八やシタールなどに興味を持ち、ウェストコースト・ジャズも好むという一面も持っていました。
雑多な音楽のバックグラウンドを持っている人です。
リトル・フィートも最初は多様な曲を演奏していたそうですが、レコード会社と契約する時、あまりにもバラバラな曲に難色を示されたそうです。
そこで彼らは少し音楽性を整理して、ようやくレコード会社との契約を勝ち取りました。
その結果がこのファースト・アルバムです。
このアルバムがややこじんまりとした印象を受けるのは、そうしたいきさつが関係しているかもしれません。
この曲はペダル・スチールが効果的に使われていて、情感のある曲に仕上がっています。
08_「Long Distance Love」(アルバム:The Last Record Album) Little Feat- Long Distance Love[249,528_2012/03/17]
■曲名:Long Distance Love
■曲名邦題:ロング・ディスタンス・ラヴ
■アルバム名:The Last Record Album
■アルバム名邦題:ラスト・レコード・アルバム
■動画リンク:「Long Distance Love」
今回はサード・アルバムまでの曲ばかりになってしまいました。
ここで1曲それ以外の時期からこの曲だけご紹介しておきましょう。
私は後期のアルバムも嫌いではないのですが、強く推したい曲がないように思いました。
楽曲重視から演奏重視に変わったせいもあるかもしれません。
たとえば「The Last Record Album」に入っている「Romance Dance」など演奏は最高ですが、もう少し楽曲が良ければと感じますし。
そういう中でこの曲や「All That You Dream」など、魅力的な楽曲もありますが。
この頃のローウェル・ジョージは以前ほど存在感がなく、メンバーの1人という感じになっています。
どうやらドラッグの影響で体調が思わしくなかったようですが。
そういう中でもこういう曲を書けるのはさすがです。
09_「Fat Man in the Bathtub」(アルバム:Dixie Chicken) Fat Man in the Bathtub[503,377_2015/09/02]
■曲名:Fat Man in the Bathtub
■曲名邦題:ファット・マン・イン・ザ・バスタブ
■アルバム名:Dixie Chicken
■アルバム名邦題:ディキシー・チキン
■動画リンク:「Fat Man in the Bathtub」
先程このアルバムは、アメリカ南部音楽の影響を受けていると書きました。
具体的にはニューオリンズの音楽の影響を感じます。
ニューオリンズの音楽は雑食感があって、セカンドライン・リズムと呼ばれる独特なリズムも特徴の1つ。
具体的にはこの曲のイントロを聞いていただければお分かりいただけると思います。
もしこの曲が気に入ったら、アラン・トゥーサン(Allen Toussaint)、ドクター・ジョン(Dr. John)、ミーターズ(The Meters)あたりを聞いてみるといいでしょう。
しかしこのバンドには、彼ら独自の魅力もありました。
それはローウェル・ジョージによる異端のスライド・ギター。
この曲でも彼のスライドが縦横無尽に活躍していて、この曲に奔放さを加えています。
1:05からのギターとリズムの絡みは鳥肌ものです。