02_「Must of Got Lost」(アルバム:Nightmares…and Other Tales From the Vinyl Jungle) 1974 J GEILS BAND must of got lost[39,497_2017/11/19]
■曲名:Must of Got Lost
■曲名邦題:傷だらけの愛
■アルバム名:Nightmares…and Other Tales From the Vinyl Jungle
■アルバム名邦題:悪夢とビニール・ジャングル
■動画リンク:「Must of Got Lost」
彼らは「アメリカのローリング・ストーンズ」という言われ方をされることがありますが、確かにこの曲などはそんな感じです。
「Centerfold」が大ヒットするまでは、この曲が彼らの最大のヒット曲でした。
シングルチャートで12位にまで上がっています。
そもそも彼らはドヤ顔で名曲を披露して、これでどうだというタイプではありません。
ちょっとB級的味付けをして、なんとなくいい感じにする人たちです。
一流の素材を匠の技で味付けするのではなく、余り物の食材を使ってB級料理をつくるのがうまいみたいなイメージ。
ただそのB級的味わいはすばらしく、楽曲の出来に関係なくいつも納得させてくれます。
極上のB級グルメ的名曲です。
05_「The Lady Makes Demands」(アルバム:Ladies Invited) The Lady Makes Demands[10,616_2015/08/23]
■曲名:The Lady Makes Demands
■曲名邦題:わがままな女
■アルバム名:Ladies Invited
■アルバム名邦題:招かれた貴婦人
■動画リンク:「The Lady Makes Demands」
彼らはこの頃からポップになってきました。
しかしこのアルバムはあまり好評とは言えませんでした。
前作「Bloodshot」は10位でしたが、このアルバムは51位と急降下しています。
従来の支持層の趣向とバンドの変化の間で、距離ができたかもしれません。
初期から彼らの支持していたファンは、泥くさくルーツに根ざした音楽を好む人が多いと思われます。
そういう人は洗練された音楽に対して、拒否反応を示すことがあります。
更に言えばアルバム。ジャケットもいけなかったかもしれません。
大昔の化粧品のイラストみたいです。
ただ曲の出来はすばらしいですけども。
06_「Do You Remember When?」(アルバム:Freeze Frame) J. Geils (Do you) Remember when[24,613_2014/07/02]
■曲名:Do You Remember When?
■曲名邦題:去って行く女
■アルバム名:Freeze Frame
■アルバム名邦題:フリーズ・フレイム
■動画リンク:「Do You Remember When?」
このアルバムではポップ路線が更に進みました。
その路線の旗振り役は、セス・ジャストマン(Seth Justman)。
彼は「Hotline」からプロデューサーに加わり「Love Stinks」からは単独でプロデュースを担当しています。
「Love Stinks」は従来のファンからポップ過ぎると言われましたが、セールス面では人気が上向きになりました。
その功労者セス・ジャストマンは、ピーター・ウルフ(Peter Wolf)と並ぶ、このバンドのメイン・ソングライターです。
前作までは2人の共作が多かったのに対して、このアルバムではセスの単独曲が大幅に増えています。
その後ピーター・ウルフは脱退しましたが、ピーターによると実際にはクビ同然の脱退だったとのこと。
その後発表したアルバムが不発に終わりバンドは解散しましたが、また再結成しています。
ただ再結成後もゴタゴタが続きました。
ついにはバンドの名前となるJ・ガイルズが脱退したのに、J・ガイルズ・バンドを名乗ることになっています。
晩期の曲を1曲ご紹介します。
J. Geils Band – Fright Night
これはこれで結構楽しめる曲です。
07_「One Last Kiss」(アルバム:Sanctuary) J.Geils Band - One Last Kiss[605,368_2012/03/04]
■曲名:One Last Kiss
■曲名邦題:ワン・ラスト・キッス
■アルバム名:Sanctuary
■アルバム名邦題:サンクチュアリ(禁猟区)
■動画リンク:「One Last Kiss」
彼らのバンド名はJ・ガイルズ・バンド。
つまりギターのJ・ガイルズのバンドという意味です。
しかしその割にギターが目立つ曲が少なく、逆に縁の下の力持ちをしているようにさえ感じます。
曲作りはピーターとセス、演奏面ではマジック・ディック(Magic Dick)が目立ちます。
精神的な支柱だったという話を聞いたことがありますが、J・ガイルズのバンド内での立ち位置については、今一つ分かりにくいかもしれません。
しかしこの曲はギターが活躍しています。
珍しくメタルみたいなギターを弾いていますがですが、なかなか悪くありません。
08_「You’re the Only One」(アルバム:Monkey Island) You're the Only One[46,171_2017/01/24]
■曲名:You’re the Only One
■曲名邦題:ユア・ザ・オンリー・ワン
■アルバム名:Monkey Island
■アルバム名邦題:モンキー・アイランド噴火
■動画リンク:「You’re the Only One」
このアルバムではバンド名を「Geils」に変更していますが、次のアルバムでは元のバンド名に戻しています。
このアルバムまで彼らはアトランティック・レコード(Atlantic Recording)に所属していましたが、次作では大手のEMIに移籍しています。
このバンドではピーター・ウルフの存在がとても大きいです。
彼の歌にはとぼけたところがあったり「Fancy Footwork」みたいな荒れた感じの歌もあったり、意外と器用なシンガーです。
また彼はかなりのイケメンで、まだバンドが売れていない頃に有名女優のフェイ・ダナウェイ(Faye Dunaway)と結婚したことで話題になりました。
結婚して3年目頃の曲ですが翌年には別居して、翌々年には離婚しています。
この曲は女性に対して「君は唯一の存在だ」と切々と訴えています。
09_「Homework」(アルバム:The J. Geils Band) Homework - The J. Geils Band[80,247_2012/03/18]
■曲名:Homework
■曲名邦題:ホームワーク
■アルバム名:The J. Geils Band
■アルバム名邦題:デビュー!
■動画リンク:「Homework」
デビュー・アルバムの曲です。
オーティス・ラッシュ(Otis Rush)のカバーで、この曲には初期の良さを凝縮されています。
初期の彼らはブルースから影響を受けていました。
初期はピーター・ウルフのボーカルと、マジック・ディックのブルース・ハープがサウンドの要です。
初期はその二枚看板が機能していました。
私は演奏では初期が好みですが、曲は後期の方が魅力に感じます。
私はこのアルバムジャケットが大好きです。
不敵な面構えがいいですね。
初期はこの曲に限らず雰囲気イケメンな曲が多いかもしれません。
10_「Don’t Try to Hide It」(アルバム:Bloodshot) Don't Try to Hide It[23,759_2017/01/24]
■曲名:Don’t Try to Hide It
■曲名邦題:隠匿するな
■アルバム名:Bloodshot
■アルバム名邦題:ブラッドショット
■動画リンク:「Don’t Try to Hide It」
彼らの音楽について言葉で説明するのは、なかなか難しいものがあります。
先程B級という言葉を使いましたが、肩の力が抜けていて、堅苦しいところがありません。
かまえずに聞けて、時には飄飄とした魅力があります。
彼らの音楽にはメッセージ性やシリアスな面がありません。
私はこのバンドの本質はパーティ・バンドだと思っています。
しかも気の置けない仲間が集まって、陽気に騒いでいる時に最適の音楽かもしれません。
11_「Looking for a Love」(アルバム:Live Full House) The J. Geils Band "Looking For A Love"[238,928_2011/04/17]
■曲名:Looking for a Love
■曲名邦題:愛をさがして
■アルバム名:Live Full House
■アルバム名邦題:フル・ハウス
■動画リンク:「Looking for a Love」
彼らはライブでのし上がったバンド。
ライブのアンコール代わりに、最後にこの曲で締めたいと思います。
オリジナルは「モーニング・アフター(The Morning After)」に入っています。
スタジオ・バージョンよりも熱気のある演奏がいいですね。
昔の映画が好きな方は、ブルース・ブラザーズ(The Blues Brothers)を思い出すかもしれません。
3分半ぐらいのところで一旦演奏が終わったように見せかけて、また再開しています。
その後演奏が終わってから大歓声が沸き起こっていますが、みんな満足の大円団といえるでしょう
ビールなどを飲みながらこのライブ・アルバムを聞くと、より楽しめるかもしれません。