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Brian Wilson  目次  前Emitt Rhodes  次The J.Geils Band 

01_「Let It Shine」(アルバム:Brian Wilson)
Let It Shine (Remastered Version)[33,781_2017/06/13]
■曲名:Let It Shine ■曲名邦題:レット・イット・シャイン ■アルバム名:Brian Wilson ■アルバム名邦題:ブライアン・ウィルソン ■動画リンク:「Let It Shine」
このアルバムがリリースされた時、日本の音楽ジャーナリズムの熱狂ぶりはすごかったようです。 しかしこのアルバムは欧米ではあまり売れていません。 アメリカのアルバム・チャートでは最高54位で、イギリスではチャートインすらしませんでした。 NME誌などいくつかの雑誌では絶賛されましたが、日本とはかなり温度差があったそうです。 しかし私は日本の反応の方が正しかったと思います。 単なるノスタルジーではなく、大変すばらしい出来でしたから。 ジェフ・リン(Jeff Lynne)との共作曲ですが、完全にブライアンの音楽になっています。

02_「Your Imagination」(アルバム:Imagination)
Your Imagination[27,006_2017/02/09]
■曲名:Your Imagination ■曲名邦題:ユア・イマジネーション ■アルバム名:Imagination ■アルバム名邦題:イマジネーション ■動画リンク:「Your Imagination」
企画アルバムを除いた3枚目のソロ・アルバムの曲です。 この曲の主人公は孤独を感じた時、ある人のことを思い出しました。 その人はブライアンの手を取ると笑顔になり、なぜブライアンが孤独を感じているか理解できないと言いました。 するとブライアンは「孤独などないのだな」と気が付くという歌詞です。 ブライアンはソロ・アルバムをリリースしてからも、精神的な病に苦しんでいました。 このアルバムの頃も「誰かが自分を殺しに来るのではないか」という妄想にとりつかれていたようです。 ただこのアルバムは、とても明るい表情の作品でした。 時にポップスという音楽には、こういう明と暗があります。

03_「Surf’s Up」(アルバム:Smile)
Brian Wilson presents SMiLE - Surf's Up[35,312_2018/05/05]
■曲名:Surf’s Up ■曲名邦題:サーフズ・アップ ■アルバム名:Smile ■アルバム名邦題:スマイル ■動画リンク:「Surf’s Up」
ビーチ・ボーイズには、未完成のままお蔵入りになった「Smile」というアルバムがあります。 その伝説は多くのファンの想像力をかき立て、幻の傑作と噂されていました。 まだ若かった頃の私はアルバイトに精を出し、高価な「Smile」音源の海賊盤を買い漁りました。 ほどんどのアルバムを持っているのに、曲の配列が「Smile」っぽいというだけで「グッド・バイブレーションズ(Good Vibrations: Thirty Years Of The Beach Boys)」というボックスセットを買いましたし。 私は自家製の「Smile」2種類を選曲し、その2枚のCD-Rを聞いては悦に入っていました。 私は幻を追い続け、断片的な曲を聞いては想像力をふくらませていたのです。 しかしブライアンはソロ・アルバムで「Smile」を再現してくれました。 ただ私はこの曲のこのバージョンよりも、海賊盤のバージョンの方が好きかもしれません。 ともあれ私はこのアルバムがリリースされた時、もう幻影を追いかけなくて済むと安堵しました。

04_「Forever She’ll Be My Surfer Girl」(アルバム:That Lucky Old Sun)
Forever She'll Be My Surfer Girl[10,221_2015/04/18]
■曲名:Forever She’ll Be My Surfer Girl ■曲名邦題:永遠のサーファー・ガール ■アルバム名:That Lucky Old Sun ■アルバム名邦題:ラッキー・オールド・サン ■動画リンク:「Forever She’ll Be My Surfer Girl」
ブライアンがサーフィンのことを歌っていることだけで、涙ものの曲です。 ブライアンのソロ活動は、決して順調ではありませんでした。 セカンド・アルバムとしてリリースされるはずの「スウィート・インサニティ(Sweet Insanity)」は、完成したのにかかわらずお蔵入りになっています。 ただこの頃は精神状態が良かったらしく、ライブなども精力的にこなしていました。 この頃彼の周りには、彼の音楽を聞いて育った若く才能のあるミュージシャンがいて、ブライアンを献身的にサポートしていました。 ジェフリー・フォスケット(Jeffrey Foskett)、ワンダーミンツ(The Wondermints)のダリアン・サハナジャ(Darian Sahanaja)、スコット・ベネット(Scott Bennett)といった人たちです。 ブライアンは彼らに支えられながら、このアルバムで自らプロデュースを担当しています。

05_「Orange Crate Art」(アルバム:Orange Crate Art)
Brian Wilson & Van Dyke Parks - Orange Crate Art[69,012_2012/05/31]
■曲名:Orange Crate Art ■曲名邦題:オレンジ・クレイト・アート ■アルバム名:Orange Crate Art ■アルバム名邦題:オレンジ・クレイト・アート ■動画リンク:「Orange Crate Art」
盟友ヴァン・ダイク・パークス(Van Dyke Parks)との共同名義のアルバムです。 名曲「サーフズ・アップ(Surf’s Up)」でも、ヴァン・ダイクのピアノが重要な役割を果たしていました。 精神不安定なブライアンの接し方を知っている人といえるかもしれません。 ただ共演と言っても、このアルバムはヴァン・ダイクが作曲・アレンジした曲を、ブライアンが歌うという趣旨のアルバムです。 レーベルはワーナー・レコード(Warner Records)。 アルバム・ジャケットを含めて、ヴァン・ダイクが主導したアルバムと言ってもいいでしょう。 しかしそれにもかかわらずブライアンの歌が入ると、彼の音楽のようになります。 シンガーとしてのブライアンの魅力を味わいたいなら、このアルバムあたりが良いかもしれません。

06_「Lay Down Burden」(アルバム:Imagination)
Brian Wilson Lay Down Burden[38,368_2016/05/27]
■曲名:Lay Down Burden ■曲名邦題:レイ・ダウン・バーデン ■アルバム名:Imagination ■アルバム名邦題:イマジネーション ■動画リンク:「Lay Down Burden」
カール・ウィルソン(Carl Wilson)に捧げられている曲です。 カールは1998年に癌で亡くなりました。 彼はブライアンが不調の時、ビーチ・ボーイズを支えていました。 ビーチ・ボーイズがバンドとしてまとまっていたように見えていたのは、カールのおかげといっても過言ではありません。 ブライアンも含めて、みんなカール・ウィルソンを通じて他のメンバーと繋がっていたようなものです。 カールが亡くなった後バンドは分裂状態となり、ブライアンは更にソロ活動に注力するようになりました。 曲名の「Lay Down Burden」は「肩の荷を下ろしてくれ」みたいな意味でしょうか。 カールへの感謝が伝わってくる曲です。

07_「Love and Mercy」(アルバム:Brian Wilson)
Brian Wilson - Love And Mercy (Official Music Video)[457,512_2017/09/28]
■曲名:Love and Mercy ■曲名邦題:ラヴ・アンド・マーシー ■アルバム名:Brian Wilson ■アルバム名邦題:ブライアン・ウィルソン ■動画リンク:「Love and Mercy」
このアルバムでブライアンは復活しました。 当時は主治医で精神科医のユージン・ランディ(Eugene Landy)のサポートを得て、レコーディングに復帰しました。 ただユージンは何かと問題の多い人物です。 ユージンはブライアンのプライベートやビジネスにも口を出し始め、洗脳に近い手法でブライアンをコントロールしていたと言われています。 このアルバムも当初はユージンがエグゼクティブ・プロデューサでー、ユージンの妻が曲の共作者と記載されるなどの疑惑がありました。 ユージン支配下のブライアンを救出したのは、後にブライアンと結婚することになったメリンダという女性です。 後年ブライアンもユージンのことを非難していました。 ユージンの功績は、このソロ・アルバムを発表させたことだけかもしれません。

08_「One Kind Of Love」(アルバム:No Pier Pressure)
Brian Wilson - One Kind Of Love[370,885_2015/06/25]
■曲名:One Kind Of Love ■曲名邦題:ワン・カインド・オブ・ラヴ ■アルバム名:No Pier Pressure ■アルバム名邦題:ノー・ピア・プレッシャー ■動画リンク:「One Kind Of Love」
彼は前々作の「ブライアン・ウィルソン・リイマジンズ・ガーシュウィン(Reimagines Gershwin)」と前作の「イン・ザ・キー・オブ・ディズニー(In the Key of Disney) 」では、他人が書いた曲を歌っています。 しかしこのアルバムでは、久々にブライアンが書いた曲を堪能できます。 この曲はブライアンの伝記映画「ラブ&マーシー 終わらないメロディー(Love & Mercy)」のサウンドトラックにも収録されています。 ちなみにブライアンはこの時72歳でしたが、曲づくりとボーカルどちらも高水準をキープしています。 もちろん全盛期とは比べられませんし、昔のような美しいファルセット・ボーカルは難しいかもしれません。 ただ私のようなファンからすると、彼が音楽活動しているだけで充分満足です。

09_「We Belong Together」(アルバム:In the Key of Disney)
We Belong Together (From "Toy Story 3")[11,482_2014/11/16]
■曲名:We Belong Together ■曲名邦題:僕らはひとつ ■アルバム名:In the Key of Disney ■アルバム名邦題:イン・ザ・キー・オブ・ディズニー ■動画リンク:「We Belong Together」
ディズニーの曲をカバーしている企画アルバムです。 ウォルト・ディズニー・レコード(Walt Disney Records)からのリリース作。 曲目を見ると、ディズニーの古典的名曲から最近の映画まで、かなりバラエティに富んでいます。 この曲は割と最近の映画「トイ・ストーリー3(Toy Story 3)」から取り上げられました。 ランディ・ニューマン(Randy Newman)が書いた曲ですが、両者の相性が抜群です。 このアルバムと対をなす「Reimagines Gershwin」にも「ザ・ライク・イン・アイ・ラヴ・ユー(The Like In I Love You)」という名曲があるので、そちらも買って損はありません。

10_「Midnight’s Another Day」(アルバム:That Lucky Old Sun)
Midnight's Another Day[21,304_2015/04/18]
■曲名:Midnight’s Another Day ■曲名邦題:明日への扉 ■アルバム名:That Lucky Old Sun ■アルバム名邦題:ラッキー・オールド・サン ■動画リンク:「Midnight’s Another Day」
ブライアンはビーチボーイズのメンバーとして、すばらしいポップ・ソングを作曲しました。 彼はガーシュインなど偉大な作曲家の系譜に名を連ねる人です。 ブライアンのバラードは感傷的ではありませんし、パワーバラードにもなりません。 肥沃な大地から生まれたような、純度の高いメロディが特徴です。 私はロックが主食の人であるせいか、音楽に濁りみたいなものを求めてしまうところがあります。 しかし彼の音楽は濁りがありません。 濁りや負の要素などの薬味なしでも、ここまでの高みが可能なのですね。 純度と深みの共存、それが彼のバラードの魅力かもしれません。

11_「Still I Dream of It (original home demo, 1976)」(アルバム:I Just Wasn’t Made for These Times)
Brian Wilson - Still I Dream of It (Original Home Demo, 1976)[27,692_2015/08/13]
■曲名:Still I Dream of It” (original home demo, 1976) ■曲名邦題:スティル・アイ・ドリーム・イット(オリジナル・ホーム・デモ’76) ■アルバム名:I Just Wasn’t Made for These Times ■アルバム名邦題:駄目な僕-I Just Wasn’t Made For These Times ■動画リンク:「Still I Dream of It” (original home demo, 1976)」
このアルバムは昔の曲の再演ばかりで、アルバムの出来は今一つかもしれません。 しかしこの曲が入っているだけで、充分元が取れたと思わせてくれる曲です。 彼が精神的に病んで療養していた1976年に録音された曲です。 この曲のボーカルを聞いて、どのように思われるでしょうか。 私は無残な声だと思います。 ここには昔のような天使の声はありません。聞いていて辛くなります。 しかしそれにも関わらず耳を惹きつけるのが、とても不思議かもしれません。 それがポップスに愛されすぎた人の業なのか。 こんな病んだ頃の曲にさえ、彼の音楽にはポップスの魔法がかけられているようです。

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