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Mott The Hoople  目次  前Neu!  次Tears For Fears 

01_「All the Young Dudes」(アルバム:All the Young Dudes)
Mott The Hoople - All the Young Dudes (Audio)[3,559,284_2016/02/26]
■曲名:All the Young Dudes ■曲名邦題:すべての若き野郎ども ■アルバム名:All the Young Dudes ■アルバム名邦題:すべての若き野郎ども ■動画リンク:「All the Young Dudes」
この曲の歌詞は、無軌道で刹那的な若者の生き方を賛歌した曲です。 若者は大人からさげすまれたり、時には一晩中自殺を考えることもあるだろう。 でも俺たちは邪魔されるのはうんざり、好きにやらせてもらうぜというような内容です。 ただ当時ボーカルのイアン・ハンター(Ian Hunter)は33歳でしたから、年齢的にはギリギリだったかもしれません。 この曲は、彼らが解散するという噂を聞きつけたデヴィッド・ボウイが、プロデュースと曲の提供を申し出たそうです。 当初ボウイが提供しようとしたのは、名盤「ジギー・スターダスト」に収録予定だった「サフラジェット・シティ(Suffragette City)」。 しかしモット・ザ・フープルがその曲を断ったため、代わりこの曲が提供されたそうです。 この曲は彼らが待ち望んでいた初のシングルヒット(全英3位)となりました。 同曲はボウイのバージョンもあって、そちらも同じくすばらしい出来です。 「すべての若き野郎ども」というアルバム・タイトルは、ダムドの「地獄に堕ちた野郎ども」、中村一義の「すべてのバカき野郎ども」など「野郎どもシリーズ」の源流となっています。

02_「The Golden Age of Rock ‘n’ Roll」(アルバム:The Hoople)
Mott The Hoople "The Golden Age of Rock 'n' Roll"[49,601_2017/04/23]
■曲名:The Golden Age of Rock ‘n’ Roll ■曲名邦題:ロックンロール黄金時代 ■アルバム名:The Hoople ■アルバム名邦題:ロックンロール黄金時代 ■動画リンク:「The Golden Age of Rock ‘n’ Roll」
この曲の背景には「音楽が死んだ日」があると言われています。 「音楽が死んだ日」とはバディ・ホリー、リッチー・ヴァレンス、J.P.”ビッグ・ボッパー” リチャードソンという、3人のロックンローラーを飛行機事故で亡くなった日のこと。 1959年2月3日のことでした。 ロックの歴史が後退した日だと言われています。 この曲を書いたイアン・ハンターは、当時20歳ぐらいでした。 それから年月が経過して、今や彼自身がスターとなり「今がロックンロールの黄金期だぜ」と宣言しているのですね。 彼らのロックンロール・ナンバー中でも最高の1曲でしょう。 ロックンロールの黄金期を体感できる曲です。

03_「Jerkin’ Crocus」(アルバム:All the Young Dudes)
Mott The Hoople Jerkin' Crocus on Vinyl with Lyrics in Description[20,262_2017/11/28]
■曲名:Jerkin’ Crocus ■曲名邦題:ジャーキン・クローカス ■アルバム名:All the Young Dudes ■アルバム名邦題:すべての若き野郎ども ■動画リンク:「Jerkin’ Crocus」
この曲は、ミック・ラルフス(Mick Ralphs)によるギターのリフが聞きものです。 B級ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)みたいな感じがたまりません。 デビュー時には既に彼らはストーンズの影響を受けていました。 ただストレートにその影響を表した曲は意外と多くありません。 彼らがブレイクしたのは、ロックンロール・バンドとしての魅力をストレートに表現するようになってからです。 今回の記事はそんな曲をかき集めてみました。

04_「All the Way from Memphis」(アルバム:Mott)
Mott The Hoople - All the Way from Memphis (Audio)[259,741_2016/03/18]
■曲名:All the Way from Memphis ■曲名邦題:メンフィスからの道 ■アルバム名:Mott ■アルバム名邦題:革命 ■動画リンク:「All the Way from Memphis」
この頃イアン・ハンターは、こういうキャッチーな曲を書くようになっていました。 演奏面ではピアノが大きな役割を果たしています。 小気味良いピアノが、曲を終始リードしていますね。 弾いているのは、この時点ではまだ正式メンバーではなかったモーガン・フィッシャー(Morgan Fisher)。 この人はラヴ・アフェアー(Love Affair)というバンドのメンバーでした。 ちなみに彼は1985年に日本に移住して、数多くのCM曲やアーティストのアルバムに参加しています。 2:08ぐらいからのサックスも、パーティ・ロックンロールらしい陽気な気分を盛り上げてくれます。

05_「Sweet Jane」(アルバム:All the Young Dudes)
Mott The Hoople - Sweet Jane[2,838_2017/05/05]
■曲名:Sweet Jane ■曲名邦題:スウィート・ジェーン ■アルバム名:All the Young Dudes ■アルバム名邦題:すべての若き野郎ども ■動画リンク:「Sweet Jane」
この曲のオリジナルはヴェルヴェット・アンダーグラウンド(The Velvet Underground)です。 私は作曲面が彼らの弱点だと思います。 しかしロックバンドとしてのポテンシャルは充分でした。 なにせあのデヴィッドボウイが、デビュー時からのファンだったぐらいですから。 今初期を聞き返しても、演奏面ではとても魅力的です。 しかし初期の彼らには決定的な曲がありませんでした。 アルバムはそれなりに売れていましたが、シングルは全然売れませんでした。 このアルバムのプロデュースを担当したボウイは、カバー曲と自分が提供した曲でその弱点を補っています。

06_「Roll Away the Stone」(アルバム:The Hoople)
Roll Away the Stone MOTT THE HOOPLE (with lyrics)[19,037_2017/09/20]
■曲名:Roll Away the Stone ■曲名邦題:土曜日の誘惑 ■アルバム名:The Hoople ■アルバム名邦題:ロックン・ロール黄金時代 ■動画リンク:「Roll Away the Stone」 ※アルバムバージョンとは若干違う箇所があります
こういうドラマティックな部分は、イアン・ハンターによるものです。 ただ初期から一緒にバンドを引っ張ってきたミック・ラルフスとは相容れませんでした。 ミック・ラルフスは前作の後すぐに脱退して、バッド・カンパニー(Bad Company)というブルージーでルーツ寄りのバンドを結成しています。 イアン・ハンター →モット・ザ・フープルに残留 ミック・ラルフス →バッド・カンパニー結成 渋いブリティシュ・ロックといった感じのバッドカンパニーのファースト・アルバムと、ドラマティックでギラギラしたこのアルバムは、同じ1974年に発売されています。 よくも水と油のような2人が、同じバンドに在籍していたなと思わずにはいられません。 ミック・ラルフスの脱退は残念ですが、それぞれが傑作を発表したので、結果的に正解だったかもしれません。

07_「Honaloochie Boogie」(アルバム:Mott)
Mott The Hoople Honaloochie Boogie[98,196_2010/05/16]
■曲名:Honaloochie Boogie ■曲名邦題:ホナルーチ・ブギ ■アルバム名:Mott ■アルバム名邦題:革命 ■動画リンク:「Honaloochie Boogie」
彼らは前作「All the Young Dudes」で世界的なヒットを記録しました。 このアルバムはその次作ですが、デヴィッド・ボウイのプロデュースではなく、セルフ・プロデュースです。 ボウイの後ろ盾がなくなったこのアルバムは、バンドにとって正念場だったことでしょう。 彼らはこのアルバム前に「Lay Down」というシングルを発表していますが、チャートにかすりもしませんでした。 昔の彼らを思わせるような、もう一歩足りない感じがする曲です。 彼はアルバムを完成させて、この曲をファースト・シングルとして発表したところ、全英シングルチャートで12位にまで上がりました。 彼らは正念場を、イアン・ハンターが書いたこの曲のヒットで乗り切りました。 ちなみに心配したボウイは、彼らに「ドライブ・イン・サタディ(Drive In Saturday)」という曲を提供しようと申し出たそうですが、バンド側が断ったそうです。 しかしボウイという人は、本当にいい人なのですね。

08_「Marionette」(アルバム:The Hoople)
22 Mott The Hoople Marionette 1974 with lyrics[27,120_2012/09/03]
■曲名:Marionette ■曲名邦題:マリオネットの叫び ■アルバム名:The Hoople ■アルバム名邦題:ロックン・ロール黄金時代 ■動画リンク:「Marionette」
このアルバムは、曲の日本語タイトルが少しやりすぎな感じがします。 「Alice」 →「あばずれアリス」 「Born Late ’58」 →「あの娘はイカしたキャディラック」 そしてこの曲も 「Marionette」→「マリオネットの叫び」 それはともかく、彼らは派手なロックンロールが持ち味のバンドです。 しかしこの曲では構成が凝っていて、演劇っぽい要素も感じられます。 アリス・クーパー(Alice Cooper)あたりの影響を受けているかもしれません。 この曲の歌詞は、先生のあやつり人形になっている哀れな生徒の話です。 そういえばアリス・クーパーも、学校や先生をディスっていました。

09_「Walkin’ with a Mountain」(アルバム:Mad Shadows)
Mott The Hoople - Walkin' with a mountain[29,892_2012/03/26]
■曲名:Walkin’ with a Mountain ■曲名邦題:ウォーキン・ウィズ・ア・マウンテン ■アルバム名:Mad Shadows ■アルバム名邦題:マッド・シャドウズ ■動画リンク:「Walkin’ with a Mountain」
さて今回は彼らの時期を限定したランキングではありません。 イアン・ハンターとミック・ラルフスの2人が脱退して、残りメンバーだけでリリースしたアルバムからは除外しました。 そもそも音源を持っていません。 時期を絞っていないのにもかかわらず、選曲元となるアルバムが偏りました。 彼らはブレイクするまで、以下の4枚のアルバムを出しています。 「モット・ザ・フープル(Mott the Hoople)」 「マッド・シャドウズ(Mad Shadows)」 「ワイルドライフ(Wildlife)」 「ブレイン・ケイパーズ(Brain Capers)」 どれも悪くありませんが、これぞという曲がないように思いました。 私がブレイク後の名曲群に匹敵すると思ったのは、この曲だけです。 この曲は「華麗なる煽動者〜モット・ライブ(Live)」でも取り上げられていますが、私はこちらのオリジナルの方がいいと思いました。

10_「Sea Diver」(アルバム:All the Young Dudes)
Mott The Hoople - Sea Diver[65,754_2011/02/02]
■曲名:Sea Diver ■曲名邦題:潜水夫 ■アルバム名:All the Young Dudes ■アルバム名邦題:すべての若き野郎ども ■動画リンク:「Sea Diver」
この頃からイアン・ハンターの存在が大きくなってきました。 この人は湿り気を帯びた声質のせいか、不思議と人を惹きつけるところがあります。 この人は初期には、ボブ・デイラン(Bob Dylan)からの影響を感じさせました。 後期でも「Mott」に入っている「母になりたい(I Wish I Was Your Mother)」などで、その影響が残っています。 ただ一方でドラマティックに歌い上げる、初期デヴィッドボウイ型といえるパターンもあります。 この曲は後者を代表する曲。 ソロ・アルバムでも、この路線の曲を量産しています。 このアルバム前にバンドはじり貧で、一度は解散を決定しましたが、ボウイの支援を受けて撤回する有様でした。 しかしこのアルバムは起死回生のヒットとなりました。 この曲は神に救済を求めている内容で、彼の願いが通じた形です。

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