01_「Sowing the Seeds of Love」(アルバム:The Seeds of Love) Tears For Fears - Sowing The Seeds Of Love[39,915,056_2013/08/10]
■曲名:Sowing the Seeds of Love
■曲名邦題:シーズ・オブ・ラヴ
■アルバム名:The Seeds of Love
■アルバム名邦題:シーズ・オブ・ラヴ
■動画リンク:「Sowing the Seeds of Love」
この曲は発表当時から、ビートルズの影響を受けていると言われていました。
確かに愛の大切さを訴えるメッセージ、そしてアレンジはビートルズを意識しているように感じられます。
アルバム・ジャケットを見て、ビートルズの覆面バンドだと噂されたクラトゥ(Klaatu)を思い出す人もいるかもしれません。
この曲ができた背景には、当時の政治状況があるといわれています。
当時イギリスは、サッチャー首相率いる保守党が圧倒的な人気でした。
ローランドはその風潮に不満だったようです。
当時サッチャー首相は、貧富の差を拡大するような改革を推し進めていました。
この曲ではそうした改革に異を唱える一方で、僕たちは愛の種を蒔こうと訴えています。
ローランドのたくましい歌唱が魅力の曲です。
02_「Everybody Wants to Rule the World」(アルバム:Songs From The Big Chair) Tears For Fears - Everybody Wants To Rule The World (Official Music Video)[326,998,195_2013/08/10]
■曲名:Everybody Wants to Rule the World
■曲名邦題:ルール・ザ・ワールド
■アルバム名:Songs From The Big Chair
■アルバム名邦題:シャウト
■動画リンク:「Everybody Wants to Rule the World」
まず曲名が穏やかではありません。
曲名を直訳すると「誰もが世界を支配したがっている」
自由や楽しいことは永続しない。だって誰もが世界を支配したがっているのだからと歌われています。
こういう皮肉的なテーマは、ローランド・オーザバル(Roland Orzabal)の気質を反映していると思われます。
ただ彼だけでなく、とかくイギリス人は皮肉屋で気難しいと言われます。
その意味でこの曲はイギリス人らしい歌詞といえるかもしれません。
実際この曲は、イギリス版グラミー賞の最優秀シングルを受賞しています。
03_「Shout」(アルバム:Songs From The Big Chair) Tears For Fears - Shout (Official Music Video)[177,897,509_2013/08/10]
■曲名:Shout
■曲名邦題:シャウト
■アルバム名:Songs From The Big Chair
■アルバム名邦題:シャウト
■動画リンク:「Shout」
この曲はアルバムのファースト・シングルではありません。
ファースト・シングルは「マザーズ・トーク(Mothers Talk)」で、この曲はセカンド・シングルです。
この曲は冒頭でご紹介したヤノフの「プライマル・スクリーム療法」を表現した曲といえるかもしれません。
「プライマル・スクリーム療法」とは、ジョン・レノン(John Lennon)が「ジョンの魂(John Lennon/Plastic Ono Band)」のレコーディング中に実践していたことで知られています。
叫んだり表現することによって、心の傷を昇華しようする考え方です。
実際この曲では「さあ叫べ」と訴えていますね。
ちなみに「Everybody Wants to Rule the World」ではカート・スミス(Curt Smith)がメイン・ボーカルでしたが、こちらはローランドがメイン・ボーカルを務めています。
カートの方が声質が高くイノセントですが、ローランドの声には説得力と力強さがあります。
この曲はローランド向きの曲かもしれません。
05_「Advice for the Young at Heart」(アルバム:The Seeds of Love) Tears For Fears - Advice For The Young At Heart[20,040,856_2016/07/13]
■曲名:Advice for the Young at Heart
■曲名邦題:アドヴァイス・フォー・ザ・ヤング・アット・ハート
■アルバム名:The Seeds of Love
■アルバム名邦題:シーズ・オブ・ラヴ
■動画リンク:「Advice for the Young at Heart」
このサード・アルバムでは曲が長くなり、アレンジが多彩になりました。
オリータ・アダムス(Oleta Adams)のボーカルが大きくフィーチャーされ、「ウーマン・イン・チェインズ(Woman in Chains)」など、ホワイト・ソウルといえそうな曲が散見されます。
この曲もそういう1曲。
ただ当時2人の関係はかなり悪化していたようです。
実際このアルバム後、カートはローランドに相談することなく一方的に脱退を宣言しました。
彼らの曲の多くはローランドが中心に書いた曲ですが、前作までローランドは様々な人と共作していて、バランスが取れていたと思います。
しかしこのアルバムでローランドはニッキー ホランド(Nicky Holland)との曲づくりが増え、8曲中5曲を共作しています。
一方カートとの共作は1曲のみです。
ただソロになってからのカートの曲を聞くと、カート自身も優れたソングライターであることが分かります。
カートは自分が軽視される状況に、相当不満が溜まっていたのではないでしょうか。
06_「Mad World」(アルバム:The Hurting) Tears For Fears - Mad World (Official Music Video)[28,646,930_2013/08/10]
■曲名:Mad World
■曲名邦題:狂気の世界
■アルバム名:The Hurting
■アルバム名邦題:ザ・ハーティング
■動画リンク:「Mad World」
この曲では、毎日全力で努力しなければ生き残れないなんて、なんと狂った世界かと訴えています。
歌詞にはこんな箇所もあります。
とても不可解で悲しいことだけど、今まで見た中で最高の夢は、自分が死ぬ夢だ。
言いにくいことは分かっているが、あえて言わせてもらう。
みんな必死で輪の中をぐるぐる走り回っているけれど、僕にはそんなことは受け入れ難い。
本当に狂った世界だよ。
このアルバムは1983年にリリースされましたが、現代の日本も近い状況かもしれません。
07_「Head over Heels」(アルバム:Songs From The Big Chair) Tears For Fears - Head Over Heels[92,471,792_2013/08/10]
■曲名:Head over Heels
■曲名邦題:ヘッド・オーヴァー・ヒールズ
■アルバム名:Songs From The Big Chair
■アルバム名邦題:シャウト
■動画リンク:「Head over Heels」
「Head over Heels」とは「あの娘にぞっこん」みたいな意味だそうです。
彼らにしては珍しいラブソングですが、たまにはこういう曲があってもいいと思います。
この頃彼らは、23~24歳の若者でしたから。
さてファーストでは繊細なエレポップ路線でしたが、彼らはこのアルバムでロック色を強め、サウンド・プロダクションの強化に成功しています。
それによって世界的なヒットを生み出む下地ができあがりました。
その変化に貢献したのは、プロデューサーのクリス・ヒューズ(Chris Hughes)。
クリスはファーストでもプロデューサーの1人でしたが、今作では単独でプロデュースを担当しています。
ちなみにクリスの他のプロデュース作を挙げるとプロパガンダ(Propaganda)、ワン・チャン(Wang Chung)、ハワード・ジョーンズ(Howard Jones)など。
ティアーズ・フォー・フィアーズとも相性が良さそうな感じがしないでしょうか。